韓国も重篤報道に不快感 金正恩氏20日ぶり活動確認
- 国際
- 2020年5月3日
北朝鮮の朝鮮中央通信は2日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日に中部平安南道順川(ピョンアンナムドスンチョン)の肥料工場完工式に出席したと報じ、写真も配信した。金氏が公の場に姿を見せたのは4月11日の党政治局会議以来、20日ぶり。一時は重病説も流れていたが、健在であることが確認された。
朝鮮中央テレビも5月2日午後3時、金氏が完工式の会場にゆっくりした足取りで入場する映像を報道した。金氏は、妹の金与正(キムヨジョン)党第1副部長からはさみを受け取り、テープカットした後、万歳を叫ぶ市民に手を振って応えた。
金氏は故金日成(キムイルソン)主席の生誕を記念する4月15日の「太陽節」に姿を見せなかったため、健康不安説が浮上。その後、米CNNテレビが「重篤な状態」との情報があると報じていた。
韓国の統一省関係者は完工式の報道後、「根拠のない内容(の報道)で不必要な混乱を招いた」と重篤報道に強い不快感を示した。
これに先立ち、金錬鉄(キムヨンチョル)統一相は同28日の国会外交統一委員会で「特異な動向はないと自信を持って言える」と一連の報道を全面否定。15日に姿を見せなかったことについて「防疫状況を考慮すべきだ」と、新型コロナウイルス対策と関係があると示唆していた。
今回の騒動を巡っては、同15日の総選挙で保守系野党から当選した脱北者出身の2人に取材が殺到。未来韓国党の池成浩(チソンホ)氏は5月1日、聯合ニュースに北朝鮮内部情報として「心臓血管疾患の手術後、(4月末の)週末に死亡した。99%確信している」と発言。未来統合党の太永浩(テヨンホ)氏も4月下旬のCNN取材に「(金氏が)ひとりで歩けない状態であるのは確かだ」と述べていた。
2氏は5月末から始まる国会で議員活動をスタートするが、分析が外れたことで「北朝鮮通」の看板に傷がついた。与党・共に民主党からは2氏に対し「無責任だ」と批判の声も出ている。
一言コメント
今回も翻弄されてしまった!?
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