楽天PCR検査キット開発企業トップ 経歴詐称疑惑で交代へ
- 企業・経済
- 2020年4月29日
楽天が法人向けに販売を開始した新型コロナウイルスのPCR検査キット。医師会などから反発の声が上がっているが、検査キットを開発・製造する「ジェネシスヘルスケア」の佐藤バラン伊里・代表に、過去に経歴を詐称していた疑惑が浮上し、楽天が退任させる方向で調整していることが、「週刊文春」の取材で分かった。
佐藤氏は夫とともに、2004年、G社の前身となる「日本ウェイトマネージメント」を創業。佐藤氏は「佐藤芹香」という名前でメディアで活動し、2004年に提唱した「遺伝子型ダイエット」がブームとなった。そして、さまざまな女性誌に頻繁に登場し、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)にも出演するなど、時の人となった。
当時、「米国の心臓外科医」、「21歳で米コーネル大学の医学部と政治学部を卒業した」と自らの経歴について語っていた佐藤氏。
そこで、「週刊文春」はその経歴について取材し、2006年11月9日号で「 遺伝子ダイエット カリスマ女医『ニセ医者疑惑』 」と題する記事を掲載していた。小誌がコーネル大学に佐藤氏の旧姓など考えられうるすべてを照会したところ、「在校生でも卒業生でもない。医師免許も保有していない」との回答だった。また、当時の同大学医学部心臓外科部長は「名前を聞いたこともないし、いたこともない」と話した。
当時、「週刊文春」記者として取材したジャーナリストの中村竜太郎氏が振り返る。
「佐藤氏には2度対面取材をし、彼女は饒舌に日本語で話した。なぜ医師リストに名前がないのかを聞くと、彼女は姓名やスペルが間違っているとか、『アメリカでは本名が一番大事な個人情報』と主張したのです。挙句の果てに『アメリカは医学部を卒業したら医者になれる』と言う始末。当然そんなことはありません」
佐藤氏は2007年にG社の代表を辞任したが、14年に再び就任。同社は楽天と密接な関係で、楽天は2017年に出資し、三木谷浩史会長兼社長が社外取締役に就任した。
当事者たちはどう答えるのか。
楽天広報部は、佐藤氏の経歴についてこう回答した。
「これほどまでに疑義があることの報告をG社から受けておらず、早急に事実確認を進めてまいります。貴重な情報をお寄せいただき、感謝しております」
一方、G社に佐藤氏の経歴詐称疑惑について確認すると、
「佐藤は英語圏で育った期間が長いことから、『せりか』は海外でも発音がしやすいよう名付けられた非公式の英語名です。貴誌報道を受け、誤解を招くことのないよう本名を用いるようにいたしました。出生地は日本ですが、幼少期に渡米し長く米国で生活しておりましたので、母国語は英語です。日本語が母国語でない事から、事実確認が不十分であったことにより過去において誤解を与えてしまったことは申し訳なく思っております」
経歴詐称疑惑が浮上した佐藤代表について、楽天関係者は次のように話す。
「命に関わる医療でウソはあってはならない。現在、佐藤氏を退任させる方向で調整しています」
4月30日(木)発売号の「週刊文春」では、佐藤代表の経歴詐称疑惑のほか、アベノマスクはなぜ迷走したのか、受注企業4社目の実態など、38ページにわたって「コロナ列島総力取材」の結果を報じる。
一言コメント
取引先の検査が先なのでは?
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