「緊急事態」延長是非 5月5日前後に判断 解除は地域ごとに
- 政治・経済
- 2020年4月25日
政府は、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、5月6日の期限直前となる大型連休後半に延長の是非を判断する見通しだ。都道府県からは早期の判断を求める声もあるが、対象地域を全国に拡大してから2週間経過後の各地域の感染者数の動向や、連休前半の人出など外出自粛の効果を見極めた上で判断する。政府・与党内では延長や解除の判断は全国一律ではなく、地域ごとになるとの見方が強まっている。
西村康稔経済再生担当相は24日の記者会見で「来週には4月16日に対象を全国に拡大してから2週間たつので、取り組みの効果の分析と検証を専門家に行ってもらう」と説明。判断の際には専門家による「基本的対処方針等諮問委員会」を開き、「総合的に判断する」と述べた。
安倍晋三首相は24日の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で「緊急事態を早期に収束させるため、今が非常に重要な時期だ」と強調。接触機会8割削減に向けた協力を改めて呼びかけた。
判断時期を巡っては、東京都の小池百合子知事が「連休前に方向性を出してほしい」と求めるなど、外出自粛や休業を要請する都道府県側には早期の判断を求める声が強くある。
ただ、そもそも政府が対象地域を全国に拡大したのは、大型連休中に感染者数が多い東京都など13の「特定警戒都道府県」から、それ以外の行楽地などに人出が集中するのを避ける狙いがある。政府は大型連休中の外出自粛を呼びかけており、連休前に延長や解除の方向性が出て「連休中に緩むと困る」(政府高官)のが本音だ。5月2、3日には、対象を全国に拡大した後の週末から2週間を迎え、感染者数の状況や実際の人出などを見極めた上で、5日前後に判断するとみられる。
延長と解除の判断に当たっては、感染者数や人出にばらつきがあることから、全国一斉ではなく、地域ごとに判断するとの見方が強い。諮問委員会の尾身茂会長は「5月6日までに(感染拡大が)下火になったとしても、小さな山が何度か繰り返してくることは覚悟した方がよい」と指摘。「感染者が出ていない岩手県などで延長する必要はない」(与党幹部)との声もあり、政府は各地域の感染者数や人出の状況などを踏まえ、緊急事態宣言を延長すべき地域を絞り込む。
ただ、一部地域を解除する場合でも一気に外出や旅行客らが増え、「元のもくあみになる」(首相周辺)懸念もある。このため、緊急事態宣言を解除しても、地域の実情に応じて特措法に基づく外出自粛や休業などの「協力要請」を継続するなど、「判断によって混乱がないようにする」(菅義偉官房長官)方針だ。
一言コメント
宣言よりも解除のタイミングが難しそうだ。
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