緊急事態宣言2週間 福岡県、570床確保へ 新型コロナ「これからが正念場」
- 政治・経済
- 2020年4月22日
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、福岡県などに緊急事態宣言が出されて2週間が経過した21日、同県の小川洋知事は記者会見で、感染者を受け入れる病床を現在の300床以上から、さらに約270床の上積みを目指す方針を明らかにした。現状については「人出はかなり減っているが、十分ではない」との認識を示し、「手を緩めては絶対にいけない。これからが正念場だ」と強調した。(九州総局 小沢慶太)
県は主に症状の重い患者を入院させるため、県内12の感染症指定医療機関と76ある入院協力医療機関の計300床以上を確保している。感染者の増加に備え、さらに増やして計570床を確保する。
県は17日、県内の大学病院や感染症指定医療機関などの病院長を集めた会議で患者受け入れへの協力を要請していた。記者会見で、小川氏は具体的な確保時期は明言しなかったが「個々の病院と協議しており、できるだけ早くやりたい」と述べた。
症状の軽い患者が療養するための民間宿泊施設については、久留米市内でホテルの確保に向けて調整していることも明らかにした。すでに北九州、福岡両市のホテル計674室で受け入れが始まっており、久留米市は3カ所目となる。
県は、30日開会予定の県議会臨時会に提案する令和2年度補正予算案で宿泊施設の借り上げ費用として約13億2千万円を計上、全体で5カ所、計1200室の確保を目指す。
県は患者の入院先について、重症・重篤者は感染症指定医療機関、中等症者はその他の協力医療機関に振り分け、軽症者や無症状者はホテルなどで療養してもらう方針。
入院患者は現在、症状が回復しても2回のPCR検査で陰性が確認されなければ退院できない。小川氏は「その(陰性確認)ために病床を使っている人がかなりいる。そういう人を中心に民間施設に入ってもらい、重症者のベッドの空きをどんどん作っていく」と話した。
緊急事態宣言の発令から2週間が経過し、課題も浮き彫りになっている。
NTTドコモが公表しているデータによると、福岡市の繁華街、天神地区の人出は、直近の日曜日である19日午後3時の時点で感染拡大前(1月18日~2月14日)と比べて77・7%減、緊急事態宣言の発令前(4月6、7日)と比べて66・2%減だった。
ところが翌20日には一転して前日比77・4%増加、宣言前と比べても4割減にとどまった。在宅勤務などへの切り替えが進んでいないことが一因とみられ、小川氏は「在宅勤務などで、出かける必然性、目的を減らさなければいけない」と語った。
政府は事業所に出勤者を最低7割減らすことを求めているが、都市部では依然として出勤する人が多く、平日の外出をいかに抑えるかがウイルス封じ込めのカギといえそうだ。
一言コメント
このままだと緊急事態宣言解除も遠のく!?
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