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G20、危機感共有も具体策なし 世界経済悪化、問われる力量〔深層探訪〕


新型コロナウイルス危機に直面する20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁は15日のテレビ会議で、国際的な経済協力を進める行動計画をまとめた。各国は危機感を共有し、結束を強調したが、世界経済の悪化を食い止めるための効果的な具体策は示されなかった。感染の収束は全く見通せず、長期戦略も見いだせていない。G20が今後どこまで踏み込めるのか、力量が問われている。

◇時間との勝負
世界は、外出の制限や自粛要請など、感染を抑え込むための強力な措置を講じれば講じるほど、個人消費や生産といった経済活動が抑制されるというジレンマに陥っている。国際通貨基金(IMF)が14日発表した世界経済見通しは、2020年の世界成長率がマイナス3.0%と、リーマン・ショック後の09年のマイナス0.1%を超えて悪化すると予想。約90年前の大恐慌以来の危機だ。

さらに、マイナス3.0%は20年後半に感染が収束し、経済活動が正常化に向かうことが前提。長期化すれば、マイナス6%程度に拡大する見込みだ。G20財務相会議に先立ち、14日に開かれた先進7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議後の記者会見で、麻生太郎財務相は「時間との勝負だ」と焦りを隠さなかった。

◇正念場のG20
15日のG20財務相会議では、開発途上国が抱える債務の返済を少なくとも20年末まで猶予することで一致。返済が猶予されれば、新型コロナ感染のさらなる拡大を防ぐために医療体制を強化する余裕が生まれる。

途上国は中国からの借り入れが多く、同国を巻き込めるかが、今回の焦点の一つだっただけに、日本の財務省幹部は「同じ条件で中国などと一緒に返済猶予に合意できたのは非常に大きな成果だ」と強調した。

しかし、今回の会議は、これまで首脳レベルで確認してきた内容の追認が多く、具体的な政策を盛り込むべき行動計画も力不足。中小企業や家計の支援、サプライチェーン(部品供給網)の円滑な運営といった既に各国が取り組んでいる施策が並ぶばかりで、新味に乏しい。第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストも「思い切った追加の財政出動が打ち出されなかった」と批判する。

有効な治療薬やワクチンが開発されるまで世界経済の底割れを回避し、持ちこたえることができるのか。出口の見えないトンネルの中で世界がもがき苦しむ中、G20はまさに正念場を迎えている。

時事通信

 

 

一言コメント
国際経済も行き詰るのか…


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