中国GDP、前年同期比6.8%減 初のマイナス成長 新型コロナ影響
- 国際
- 2020年4月18日
中国国家統計局が17日発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比6・8%減だった。新型コロナウイルスの感染拡大で経済が長期停滞し、四半期ベースで比較可能な1992年以降で初めてマイナス成長に転落した。これまでの最低は19年10~12月期の6・0%増だった。
中国共産党は17日、政治局会議を開いて「1~3月期は異常だ。新型コロナウイルスによって我が国経済は前例のない試練に直面している」と強い危機感を示した。会議では、経済の落ち込みを防ぐため、財政支出の拡大や貸出金利の引き下げなど積極的な財政・金融支援策を講じていく方針を明らかにした。
中国では1月24日の春節(旧正月)前後から国内の感染拡大が深刻化。北京、上海などの主要都市では2月9日まで、「震源地」となった武漢を含む湖北省では3月10日まで、当局の指示で企業や工場の操業が事実上ストップした。
1~3月の個別指標では、工業生産は前年同期比8・4%減(19年通年実績は前年比5・7%増)。企業の設備投資や政府の公共事業の動きを反映した固定資産投資も16・1%減(同5・4%増)と低迷した。経済の急減速で民間投資が18・8%減(同4・7%増)に落ち込んだほか、インフラ投資も19・7%減(同3・8%増)となった。
個人消費の動向を示す社会消費品小売総額は19・0%減(同8・0%増)に失速した。1~3月の国内新車販売が42・4%減に落ち込むなど市民の「買い控え」傾向は現在も強く、経済の柱である個人消費の回復は鈍い。
中国政府は「国内の感染状況はピークを過ぎた」として4~6月期以降の経済の急回復を期待するが、欧米での感染拡大で外需が冷え込むなど環境は厳しい。国際通貨基金(IMF)が14日発表した世界経済見通しでは、主要国の20年の成長率が軒並みマイナスに沈む中、中国の20年の成長率は1・2%のプラスが予測されているが、中国経済の停滞が長引けば、世界経済の下押し圧力がさらに強まりかねない。
一言コメント
V字回復は難しそうだ。
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