マスク販売や助成金支給うたうことも 特殊詐欺 新型コロナで被害増
- 詐欺・悪徳商法
- 2020年4月15日
新型コロナウイルスの国内感染者の確認後、自宅にいる高齢者らを狙った特殊詐欺の被害が増加している。愛知県では、感染者が見つかった1月下旬以降、認知件数が前年より2割増えた。高齢者の在宅時間が増えたことが原因とみられ、今後、外出自粛による在宅者が更に増加し、被害が拡大する恐れもある。警察当局は警戒を強めている。
愛知県春日井市の90代の無職女性は3月3日、在宅中に警察官を名乗る男から「あなたの口座から5万円が引き出された」という電話を受けた。女性は電話で指示されるままにキャッシュカード4枚と暗証番号を記したメモを封筒に入れた。カードを確認するため家に来た警察官を名乗る男に、封筒をすり替えられ、口座から計200万円を引き出されたという。
女性の家族によると、女性は1人暮らしだったものの、普段の日中は、自宅に近所の友人らが頻繁に集まっていた。しかし、新型コロナウイルスによる外出自粛ムードで、友人の来訪がなくなり、1人で自宅にいる時間が増えた直後、被害に遭った。
マスクの販売や助成金の支給をうたった詐欺未遂事件も増えている。同県愛西市の男性は、市役所の職員を名乗る男から10万円でマスクの販売を持ちかけられた。その後男性宅を訪れた男に「10万円払えば、コロナウイルス感染が終息するまで毎月マスクを配布する」という取引を持ちかけられたが「現金を持ち合わせていない」と断ったという。
愛知県警のまとめによると、特殊詐欺の認知件数は、感染者が初めて確認された1月下旬から増加傾向に。1~3月は前年同期比で27件増え177件となった。このほか、北海道で39件(前年同期比13件増)、長野県で40件(同14件増)など他の地域でも被害の増加が確認されているという。長野県警の担当者は「ずっと家にいると目星をつけられたら詐欺グループに狙われやすい」と指摘する。
愛知県警生活安全総務課の吉玉康弘・地域安全対策室長は「警察がキャッシュカードを確認したり、暗証番号を聞いたりすることはない。すぐに警察や家族に相談してほしい」と呼びかける。
一言コメント
こういう時こそ注意が必要だ。
コメントする