感染者ゼロの県「コロナ疎開」警戒 島根と鳥取、帰省自粛など求める
- 政治・経済
- 2020年4月9日
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い7都府県に緊急事態宣言が出されたのを受け、島根、鳥取両県で感染流入への警戒が強まっている。両知事は8日午後までに感染者が確認されていない両県への「コロナ疎開」に対して危機感を発信。鳥取県は7都府県からの転入者に14日間の外出自粛を求めると決めた。集客施設が大型連休明けまでの休館を決めたケースも相次ぐ。
「いわゆるコロナ疎開と言われる行為は県として望まない」。島根県の丸山達也知事は、7日深夜に開いた対策本部会議後、報道陣を前に呼び掛けた。7都府県の住民に、実家などへの帰省や、旅行での来県を避けるよう強調。「実力で阻止できるわけではないので、個々の良識を信じるしかない」と思いを込めた。
離島の隠岐の島町、西ノ島町、知夫村の3町村は、体調不良者の来島自粛をホームページなどで呼び掛けた。知夫村の平木伴佳村長は島内に収容できる病院がないとして、「感染者が出ればヘリコプターで本土に搬送しなければならない」などと理解を求めた。
8日に対策本部会議を開いた鳥取県の平井伸治知事も「7都府県からの来県は考え直していただきたい」と「コロナ疎開」の動きにくぎを刺す。一方で、7都府県からやむを得ず転入する人に対して、市町村の転入届の窓口で外出自粛を求める考えを示した。
小中高へ転校する児童生徒は、市町村教委と連携して14日間の出席停止とし、オンライン学習など自宅での学習機会を確保する方針。企業にも、運輸業などやむを得ない場合を除き、赴任先や出張先から帰県した人の自宅待機を求める。
島根県内では離島や山間部の高校で、7都府県などからの寄宿生に前もって宿泊施設で待機してもらうケースが見られる。海士町の隠岐島前高と邑南町の矢上高では両町の負担で5日程度、地域のホテルなどを用意。オンラインなどで授業を受けながら健康状態の観察を続けるという。
緊急事態宣言の期間は5月6日まで。開けていた集客施設にも休館の動きが広がった。鳥取県北栄町の青山剛昌ふるさと館と、境港市の水木しげる記念館はともに同日まで休館。安来市の加納美術館は今月11日から5月7日までの休館を発表した。千葉潮館長は「書き入れ時だが、リスク回避を優先すべきだと考えた」と打ち明けた。
一言コメント
人が増えたら感染者も増えるだろう。
コメントする