新型コロナで入国外国人は7割減 2月見通し 九州の観光業に打撃必至
- 政治・経済
- 2020年3月18日
九州運輸局は17日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2月の九州への外国人入国者数が、前年同月と比べ7割減となる見通しを明らかにした。観光事業者からは、資金繰りや雇用維持に関して相談が多く寄せられているという。
発表によると、2月の九州への外国人入国者数は10万192人(速報値、クルーズ船客除く)で、前年同月に比べ69・9%減となった。確定値段階の減少率は7割を超える見通し。1月の速報値は22万423人で、前年同月に比べ35・8%減だった。
今月9日からは、中国と韓国からの入国者に2週間の待機を求める措置が始まり、さらなる減少が予想される。九州運輸局の集計によると、1月末に週303便あった九州と中国・韓国を結ぶ航空便は今月17日までにゼロとなった。タイやベトナムなどとの航空便も運休や減便が相次ぐ。1月28日から3月31日までに九州への寄港を予定していたクルーズ船138隻のうち136隻が、寄港中止や乗客なしの寄港となった。
交通事業者へのヒアリングでは、訪日旅行客を対象とする鉄道の企画切符の売り上げが2~5割減ったという声のほか、高速バスや貸し切りバスで乗客が半減した事業者もいるという。
また、17日発表された昨年1~12月に九州を訪れた外国人入国者数(確定値)は422万2026人(前年比17・5%減)で、8年ぶりに前年を下回った。日韓関係の悪化で韓国人が29・2%減となったことが響いた。東南アジアや欧米豪からの入国者は、過去最高の伸び率を示した。
岩月理浩局長は記者会見で「昨年は幅広い国や地域から誘客する重要性を事業者が感じた年だったと思う。新型コロナウイルスの影響で今年も厳しい数字になることは間違いないが、これまでの施策を続ければ、問題が終息したときに、反転して大きく伸びる」と語った。
一言コメント
予想はしていたが厳しい数字だ。
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