「ロイホの味」自宅で舌鼓 ロイヤルHD、冷凍食品事業進出
- 企業・経済
- 2020年3月4日
ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングス(HD)が、冷凍食品事業に乗り出した。ロイヤルホスト各店や同社のネット通販サイトなどで「ロイヤルデリ」ブランドとして販売する。家庭で温めるだけの手軽さを武器に女性や単身者をターゲットに「自宅でロイホ」をPRし、新たな収益の柱にしたい考えだ。
ロイヤルデリは、パスタやドリア、カレーなど計25品目でスタート。令和元年12月にはまず東京都内の店舗で売り出した。創業の地、福岡でも福岡市内の「アペティートカフェ」や、県内のロイヤルホストで販売を始めた。
ロイヤルは調理工場で料理を下ごしらえし、パック詰め、冷凍・冷蔵した上で各店に送る「セントラルキッチン」を、日本に初めて持ち込んだ先駆者だ。各店舗でシェフが最後の一手間を加えて提供する。
ロイヤルデリも、店舗で提供するメニューと同じ専用工場で製造。職人が手作りする工程などは全く変わらない。現在は、手作業に頼っている最終的な包装過程は今後、需要を見極めながら設備投資を判断する。
商品は、定番料理に加え複数のソースを用意した。例えば、牛肉や玉ねぎを炒め生クリームで煮たものに、商品の1つ、ドミグラスソースを加えれば、本格的なビーフストロガノフが完成する。
ロイヤルHDの野々村彰人常務は「飲食宅配代行サービスを利用し、お店のトレーで食べるのではなく、ご家庭で加熱し、自宅の食器に盛るというシーンを大切にしたい。そこに、ロイヤルのクオリティを提供したい」と訴える。
国内の外食市場の環境は厳しい。日本フードサービス協会によると、平成23年以降、国内の食料・飲料支出額に占める外食市場の割合は34%程度で推移する。ピークの9年(39・7%)から、長期的には下落傾向だ。一方、調理済みの食品を持ち帰る「中食」は好調だ。昨年10月の消費増税時、持ち帰りや宅配サービスに軽減税率が適用されたことも追い風になった。外食や小売り各社は、中食市場でしのぎを削る。
ロイヤルは、安定して高品質の料理を提供し続けてきたブランド力をてこに、冷凍食品事業を新たな収益の柱にしたい考えで、令和12年度に売上高100億円を目指す。
野々村氏は「スープからデザートまでそろえたラインナップは他社にはない。それぞれのご家庭で、より豊かで楽しい時間を過ごしてもらえるよう、お手伝いしたい」と語った。
一言コメント
家庭でも気軽に食べられるのはうれしい。
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