新型肺炎 ホテルキャンセル1500室 JR九州、「ななつ星」も3月運休
- 企業・経済
- 2020年2月28日
JR九州は27日、新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で、グループが運営するホテルで1月下旬以降、約1500室分のキャンセルが発生したと明らかにした。大型イベントの相次ぐ中止などで鉄道の乗客数も減少。影響の広がりを踏まえ、豪華寝台列車「ななつ星in九州」を3月いっぱい運休することも発表した。記者会見で青柳俊彦社長は「これからもっと影響は大きくなる。日本が主戦場になった」との認識を示した。
JR九州は今月下旬から社員にマスクの常時着用を義務付けており、この日の記者会見は青柳氏もマスク姿で出席する異例事態に。記者やカメラマンにもマスク着用を要請した。
ホテルのキャンセルは、団体客分を集計した。東京や沖縄などを中心に影響が大きかった。中国人旅行客の341室、中国を除く海外客の550室、国内の旅行客の630室と、約1500室のキャンセルが出たという。
2月1日~25日までの鉄道の乗客数は、新幹線で前年同期比7%減、在来線特急で12%減となり、14億円の減収となった。イベントの中止のほか、外出を控える動きの広がりが背景にあるとみられる。海外客向け割安切符「JR九州レールパス」の販売枚数も、前年2月に比べて半減する落ち込みとなった。
また、ななつ星運休の理由について、青柳氏は「今まで通りの『ななつ星』を経験していただける環境にない」と説明した。
一方、今月25日から新幹線車内の消毒を開始したといい、その他の列車の消毒についても検討している。
青柳氏は「ホテルや駅ビルなどの商業施設にも大きな影響が出ており、動向を注視しないといけない。SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)は他国の出来事だったが、コロナウイルスに関しては、日本が主戦場になったと言わざるを得ない。(SARSなどの)教訓を踏まえ、取り組みを実行することが必要だ」と語った。
一言コメント
地域経済への影響も深刻だ…
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