総選挙控え文政権に逆風 感染者、中国に次ぐ1200人超 韓国
- 国際
- 2020年2月27日
【ソウル時事】韓国では26日、新型コロナウイルスの感染者が1000人を超え、前日比284人増の1261人に達した。
死者は2人増え12人。感染者は中国に次ぎ世界で2番目に多い。4月に総選挙を控え、保守系野党から対応を批判する声が上がっており、文在寅政権に逆風が吹いている。
「最大限の封鎖政策を施行する」。25日、与党「共に民主党」の洪翼杓首席報道官の発言に波紋が広がった。政府高官と党幹部との会合結果を説明する場での発言だったが、感染拡大の中心地である南部・大邱市を孤立させるかのような内容に批判の声が高まった。
この日、大邱市を訪れていた文大統領は現地の対策会議で「地域の封鎖ではなく、波及や拡散を最大限遮断するということだ」と釈明を強いられた。医療従事者らを激励する現地視察は後味の悪い結果となり、洪氏は26日に報道官を辞任した。
そもそも文氏は13日、感染は「遠からず終息するだろう」との見通しを示していた。大統領府高官は26日、記者団に「経済の活力を取り戻すためのメッセージだった」と弁明したが、最大野党「未来統合党」の沈在哲院内代表は「根拠のない楽観を一言も謝罪していない」と批判した。
2015年に中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こすコロナウイルスの感染が拡大し、死者が38人に上った際、野党代表として当時の朴槿恵政権を批判したのが文氏だ。長丁場になるとみられる危機管理で対応を誤れば、一段と厳しい追及を受けることは避けられない。
大統領府のサイトには感染対策を非難し、文氏の弾劾を求める請願が掲載されており、4日から26日までに70万人以上が賛同を寄せた。
一言コメント
経済へのダメージもありそうだ。
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