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【独自】空ぜき「普通の肺炎と違う」武漢病院長の証言


 新型コロナウイルスの発生地である中国湖北省武漢市が「封鎖」されてから23日で1カ月が経つのを前に、最も早く感染者を受け入れた武漢の拠点病院「金銀潭病院」の張定宇院長(56)が朝日新聞の取材に応じた。張院長は未知の感染症と格闘し始めてまもなく、事態の重大さを認識。同僚の医師らに自分たちが「嵐のど真ん中にいる」と覚悟を促した状況や、試行錯誤を通して得た知見も明らかにした。

取材は21日夕、SNSのビデオ通話で武漢にいる張院長と結んで行った。新型肺炎をめぐり、張院長が外国メディアの取材に応じるのは初めて。武漢の医療機関幹部が応じるのも極めて異例だ。

金銀潭病院は2016年に設立された市内の感染症対策の最重要拠点。新型肺炎の蔓延(まんえん)後は肺炎治療に特化し、多数の重症患者を受け入れてきた。

昨年12月29日、市内の華南海鮮卸売市場で広がった原因不明の肺炎患者が7人、同院に運び込まれた。張院長は「最初はそれほど特殊なケースとは思わなかった」と振り返る。ただ、一般的な肺炎と異なり、患者がたんを伴わない空ぜきをしていたことに気がついたという。普通の肺炎では主に重症患者に見られる呼吸困難も、新型肺炎の患者には広く見受けられた。

その後患者が増え、中央政府から感染症の専門家が派遣されると「ただごとではない」と悟った。1月上旬、病院の医師や看護師らに「我々は嵐のど真ん中にいる」と呼びかけ、診療態勢を強化した。

1月23日、武漢が封鎖されて外部との交通が遮断された。感染者が急増する中で医療物資の備蓄が減り、院内に張り詰めた空気が漂った。防護服やマスクなどが足りないため、医師は1日に2~3回しか治療区域に入れなかった。看護師の数も逼迫(ひっぱく)し、2時間交代だった勤務を4時間交代に延長せざるを得なくなった。医師や看護師らは20日以上もぶっ通しで治療を続けたという。

朝日新聞デジタル

 

 

一言コメント
緊迫ぶりが伝わってくる。


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