新型肺炎、国内発生100人超に 北海道や埼玉で新たな感染者 未就学児も
- 政治・経済
- 2020年2月22日
各地で広がる新型コロナウイルス感染症で21日、北海道と埼玉県で初の10歳未満を含む計3人の小児の感染が確認された。2人が小学生、1人が未就学児で、いずれも重症化はしていない。ほかにも成人12人の感染が報告され、国内発生は109人、横浜港に停泊中のクルーズ船に乗船していた感染者を合わせると743人になる。政府は来週に基本的対処方針を取りまとめる予定で、段階を「国内発生早期」から「感染拡大期」に移行する時期を慎重に検討している。
小児の感染者は、北海道中富良野町の町立中富良野小に通う男児の兄弟と、埼玉県内の未就学児。
北海道によると、兄弟は兄が10歳以上、弟が10歳未満で、渡航歴はない。弟は15日から学校を病欠、兄は18日に早退して、いずれも19日に入院した。同小では21日午後から授業を急きょ取りやめ、約200人が下校して校舎の消毒に当たった。町は各児童の家庭に24日までの自宅待機を要請し、授業の再開時期は同日までに決めるとしている。文部科学省は道教委に、休校や学級閉鎖などの措置を取るのが望ましいとの見解を伝えた。
道は公衆衛生上の必要性などを理由に学校名は公表したが、家族らに感染者がいるかどうかや、感染者との濃厚接触歴は「調査中」としている。
埼玉県で感染が確認された男児は6歳以下で、1月30日に中国湖北省武漢市から40代の父親とともに政府チャーター機で帰国。検査が陰性だったため2月1日から自宅待機していた。父親は10日に感染が確認され、20日に発熱した男児も21日の検査で陽性と判定された。県内の医療機関に入院している。県は、帰国後に発症した父親から感染した可能性が高いとみている。
このほか、北海道の新千歳空港内にある小樽検疫所支所に勤務する40代女性▽東京都の50代女性2人と70代女性1人▽千葉県の60代男性警備員▽横浜市の30代女性▽相模原市の入院中の80代男性とその妻▽名古屋市の70代男性と20代女性▽石川県の50代男性県職員▽熊本市の20代女性看護師――の感染が新たに確認された。東京の50代のパート女性は重症で、糖尿病などの持病があるという。東京の残る2人は、既に感染が分かっている男性の妻とその知人で、1月22日に一緒に食事をしていた。
一方、政府チャーター機第4便で帰国し、宿泊施設に滞在していた195人は21日、全員がウイルス検査で陰性と確認され、帰宅が可能となった。
国内感染者の増加を受け、政府は近く専門家会議を開き、基本的対処方針の具体的な内容を詰める。厚生労働省幹部は「早めに対処していく必要がある」としており、国内発生早期から次の段階への移行も議論する見通しだ。
一言コメント
後手後手に回らないことが重要だ。
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