被害者家族減少、進展は見えず 拉致問題、安倍首相を野党批判
- 政治・経済
- 2020年2月7日
北朝鮮による拉致被害者有本恵子さんの母、嘉代子(かよこ)さんが亡くなった。
これにより政府が認定する未帰国の拉致被害者12人の親世代で存命なのは、横田めぐみさんの両親と有本さんの父の3人となった。安倍晋三首相は拉致問題の解決を「政権の最重要課題」に据えるがなお進展は見えず、野党からは批判の声が上がった。
「元気なうちに恵子さんを取り戻すことができなかったことは痛恨の極みだ。ご家族が高齢になる中、あらゆるチャンスを逃さず果断に行動しなければならない」。首相は6日、記者団に厳しい表情でこう語った。
2012年の第2次政権発足以降、首相は時の国際情勢などを踏まえて圧力路線を重視したり、対話路線に転じたりするなど解決への道を模索。首相の意向を受け、水面下では政府高官が北朝鮮の政府関係者と接触してきたともうわさされる。
18年6月と19年2月にはトランプ米大統領が金正恩朝鮮労働党委員長と会談。米朝の融和ムードが広がると、首相も同年5月に前提条件を付けず日朝首脳会談に臨む意向を表明し、リスクをいとわない姿勢を示してみせた。
だが、北朝鮮側は安倍政権について「敵視政策に変化はない」とのスタンスで、対話の糸口はつかめていない。目に見える「成果」は得られていないのが現状だ。第2次政権発足から7年余り。拉致被害者家族は高齢化が進み、「一日も早く解決を」との切実な声は高まるばかりだ。
超党派の拉致議連幹部を務める国民民主党の渡辺周副代表は「家族の皆さんは『安倍さんを信じよう、今は安倍さんに任せるしかない』と言ってきたが、言葉だけで結果が出ていないことに、われわれもじくじたる思いがある」と語った。
立憲民主党の枝野幸男代表は党会合で「口だけでなく、ちゃんと物事が前に進んでいけるよう強く求めていく」と訴えた。
一言コメント
期待していたんだけどなあ…
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