データミックスは企業間取引・企業経営に必須なビジネスニュース、政治・社会ニュースを配信しています

お名前ドットコム

「社内ストーカー」の深い闇 退勤後も電話、性行為の要求…被害者の苦痛


 「会社内という狭い空間で上司からストーカーに遭った。声を上げにくい環境と立場を利用された」-。あなたの特命取材班に「社内ストーカー」の被害を訴える声が届いた。交際相手や配偶者など親密な間柄が想定されやすいストーカーだが、上司や同僚など職場関係も全体の1割を超える。職場では日中の行動を監視され、個人情報も把握されやすく、被害者に深刻な苦痛をもたらしている。

情報を寄せた女性(41)によると、北部九州の企業で派遣社員だった2年前、既婚の男性上司と2人で懇親会会場を下見した帰り道、抱きつかれて体中を触られた。女性は同僚に相談。同僚から報告を受けた会社役員に面談で「(契約)社員になれるよう考えているからね。この話は今日でおしまい」となだめられたという。専業主婦を経て久しぶりの仕事。ゼロから勉強し、やりがいも感じていた。「今の年齢で社員になれる望みはここ以外無い」と不満をのみ込んだ。

「毎日会社で顔を合わせ、寝る寸前まで連絡が続く」

 男性の行為はエスカレートする。隣席から「ふれたい」と書いた付箋を渡される。勤務中も退勤後も「好きが止まらない」「誰とどこに出掛けるの」などメールや電話がくる。私用携帯を業務でも使っており、連絡先を知られていた。電話を取り損ねると男性は「何してたんだ」と激高。「(派遣の)契約を切る切らないの権利は僕にある」と言い、業務中の無視が数日続くこともあったという。

女性は「毎日会社で顔を合わせ、寝る寸前まで連絡が続く。こんな毎日を送っていると、支配下に置かれるというか感覚がまひし、相手に合わせなくてはと混乱していた」と振り返る。「好きと言ってくれ」と求められると「好きです」と答え、性行為の要求に応じたこともあった。

同僚の前で「辞めろ」と怒鳴られ、耐えきれず会社の相談窓口に通報。上司は異動したが、昨年9月にはLINEのメッセージが3日間で約70件届いたことから身の危険を感じ、警察署に駆け込んだ。警察官は「警告の電話をします」と言い、男性からの連絡は途絶えた。女性はうつ病を発症し、休職期間が社内規定を超過。職を失った。

「不利益への懸念から、相談をためらう」

 ストーカー規制法は、つきまといや待ち伏せ▽面会や交際を要求▽連続電話やメール送信▽性的羞恥心を害する文書や図画を送る-などの行為を繰り返すことをストーカーと定義し、警告や禁止命令を出す。

職場でのセクハラやストーカー問題に詳しい尾上太一弁護士(福岡市)によると、社内ストーカーは「日常的に長時間接する」「日中の行動や帰宅時間を把握、監視される」「連絡先など個人情報を入手されやすい」「勤め先との関係悪化や処遇の不利益への懸念から、相談をためらう」などの特徴があるという。

警察庁の2018年の統計によると、ストーカー事案の対応件数2万1556件のうち、関係性は交際相手(元を含む)が最多で4割。次いで同僚や職場関係が2786件(13%)で、4年前より約400件増えるなど増加傾向にある。

最近では18年4月、元女性同僚につきまとい行為をしたとして、岐阜県警は当時の巡査部長を同法違反容疑で逮捕。滋賀県大津市は昨年12月、同じ部署だった女性職員に面会を求めるメールを何度も送ったなどとして、30代男性職員を停職3カ月の懲戒処分とした。

職場でストーカー被害に遭ったらどうすればいい?

 全ての事業主は、セクハラやマタハラの防止対策を法的に義務付けられている。ストーカーが当初セクハラという形で確認された場合、職場が適切に対処すれば被害を防げる可能性もある。今回の女性も「初めから担当部署が調査し、異動させるなど早く対応してほしかった」と訴える。

ストーカーの相談を受けるNPO法人「ヒューマニティ」(東京)の小早川明子理事長は「企業にはストーカー対策を義務付ける法律もなく、ストーカーは『警察の範疇(はんちゅう)』との認識も根強いため、多くの企業が対応に消極的だ」と指摘。一方「双方の言い分を聴取した上で異動などの配慮をしたり、必要に応じて両者を医療機関につないだりして加害者側の強い執着を取り除く介入をすることで、深刻な事態を防げる例は多い」と職場の役割の大きさを強調する。

職場でストーカー被害に遭ったらどうするか。尾上弁護士は「早い段階で会社に相談し、適切に対応されず不安に感じる場合、すぐに警察や弁護士など外部に助けを求めてほしい。やりとりの録音、SNSのメッセージ記録など証拠となり得る物は必ず残して」と呼び掛ける。(国崎万智)

SNSで調査報道の依頼を受付中!

西日本新聞「あなたの特命取材班」は、暮らしの疑問から地域の困り事、行政や企業の不正告発まで、SNSで寄せられた読者の情報提供や要望に応え、調査報道で課題解決を目指します。ツイッターやフェイスブックの文中に「#あなたの特命取材班 」を入れて発信してください。

西日本新聞

 

 

一言コメント
減るどころか増えているとは…


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

注目他社記事一覧

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(後編)

★契約書控え無し移籍金支払い期限無しで辞めたら契約不履行で契約金を払わない悪質スキーム 前編で書いた通り、波戸崎は高学歴で歯車思考の洗脳しやすい従業員を周りに置いているが、バルセロナグループ自体に信用がない為に現地採用の […]

コメントなし

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(前編)

前回は、バルセロナグループの金融商品取引法違反やキャストの移籍金詐欺について詳しく述べた。今回は予告していた、西岡勇成、船津裕隆、の情報とバルセロナグループ波戸崎崇と山下遥香のSNSを使ったビジネスモデル(カルト宗教的勧 […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)後編

か弱き金魚達は完全なる被害者であり、バルセロナが撤退した後は中洲の各お店で受け入れるだろう。繁華街で生き抜いた人々にはそのような寛容な思考がある。1人として働きにくいと感じさせてはいけない。元の店に戻りにくいように裏切ら […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)前編

列島は台風が去り徐々に熱気と湿度が下がりつつある。第一弾から調査している実際の内装費はいくらなのか?我々はネットワークを駆使し、オオモ◯総建社員の証言のもと、実質内装費「税抜1.5億円」と確認した。 また、波戸崎氏がソフ […]

コメントなし

第一弾(後)波戸崎崇の投資話と洗脳手法に騙される中洲の人たち

前述の会社ぐるみで一般のキャストに自分達の投資を伏せて、あたかも自分達が特別扱いされてると感じでいる投資者(キャバ嬢)が正に騙されているのだ。調べるほどバルセロナという会社は詐欺と欺瞞、嘘で固められたマルチ詐欺集団のよう […]

コメントなし

注目他社記事一覧

独自記事

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP2~事件師たちを追う~

2024年の日本の選挙、いやー大波乱でしたね!自民党がまさかの過半数割れ。とはいえ「まあ、そうなるよね」と予感してた人も多いでしょう。世の中、どこにでもある「不信感」。これが政治だけじゃなく医療福祉業界にも広がってるんで […]

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP1~事件師たちを追う~

昨年、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。今年に入り日本ではプロ野球よりメジャーリーク大谷の話題で日本が明るくなり活気が戻ってきた。活気が戻りつつ街が賑わえばやはり増え […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第5弾)

株式会社ブランニュープランニングの終りの始まりが来た。 民事再生という逃げ道をとった村田晃士氏 登記簿(関税人の名前消して) 3月末に動きがあった。私共データミックスの情報が嘘ではないことを証明した内容だ。(株)ブランニ […]

1件のコメント

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第4弾)

2024年、石川県能登半島での大地震から始まってしまい、衝撃的な令和六年のスタートに不安を感じたが、被災者の皆さんの行動力や頑張りに胸を打たれながらの2ヶ月でした。特に心苦しいのがこんな大変な状況なのに発生してしまうのが […]

2 comments

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第3弾)

今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 アメリカは大谷翔平選手移籍の話題で盛り上がる中、わが国では政治家の裏金問題が岸田政権を揺るがす事態となっています。 今から来年のことが心配になっている […]

コメントなし

独自記事一覧

石川の一撃

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「尾崎朝樹氏・田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第11弾)

中国で発生した新型肺炎は終息する兆しがなく、世界中で猛威を振るいつつあります。 暖かい季節になってきましたが、読者の皆様も健康管理など、くれぐれもご留意ください。 前回、ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下クイーンズヒル […]

4 comments

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第10弾)

温暖化と言われる時代ですが、やはり寒い季節ですね。 読者の皆さん風邪など引かないようにしてくださいね。 児玉氏の毎年の様にお友達と行われるマックスゴルフコンペ動画を見て 貴殿のスイングに目を奪われましたよ。 それに加え「 […]

1件のコメント

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?役員構成変更そして今後のI・Bは?(第9弾 後編)

豪雨、台風と今年も不安定な夏でしたが、やっと涼しくなってきました。 東京五輪もいよいよあと1年となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 (取締役 児玉崇氏) 前回はデータ・マックス社の度重なる役員構成変更に […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?さらなる役員構成変更の意図は?(第9弾 前編)

梅雨が明け真夏日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? 昨年にも増して暑さが厳しく感じられますね。 しばらく酷暑は続きそうですが、読者の皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 さて、昨年も報じてきた「データ・マ […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?(第8弾 後編)

後編 「役員構成変更に見え隠れする児玉氏の未来図とは」 前編に続いてデータ・マックスグループの役員構成について考えた。 ※同役員構成については、「NetIB News」「データ・マックス」は善か悪か?信念か金か?(番外編 […]

1件のコメント

石川の一撃記事一覧

Copyright© 2017 データミックス All rights reserved.