筑邦銀、SBIと資本提携 地銀再編「独自路線は継続」
- 企業・経済
- 2020年1月18日
筑邦銀行(福岡県久留米市)は17日、インターネット金融大手のSBIホールディングスと地方創生を目的に資本業務提携したと発表した。SBIが筑邦銀の株式を、3%を上限に取得して大株主となる。SBIが掲げる地銀連合「第4のメガバンク構想」の一環で、島根銀行(松江市)、福島銀行(福島市)に続く第3弾の出資となる。
筑邦銀とSBIは地域通貨の発行や、地元のスタートアップ企業の支援などを通じて地域経済の活性化を図る。筑邦銀はSBIの投資先企業が提供する、金融とITが融合したフィンテックを導入し、業務の高度化やスリム化を図る。また、SBI傘下のSBI証券(東京)と連携し、顧客に投資信託など幅広い分野で資産運用を提案する。
筑邦銀の佐藤清一郎頭取は久留米市内で記者会見し「自分たちだけではできないビジネスでSBIに協力してもらう」と話した。
九州の地銀をめぐっては、福岡銀行(福岡市)などを傘下に持つ「ふくおかフィナンシャルグループ」、西日本シティ銀行(同市)などを抱える西日本フィナンシャルホールディングス、肥後銀行(熊本市)と鹿児島銀行(鹿児島市)を傘下に置く九州フィナンシャルグループを中心に再編が進んだ。一方、筑邦銀はこれまでは単独路線を貫いており、佐藤氏は記者会見で「今後も独自路線を継続するための資本業務提携だ」と強調した。
地銀を取り巻く環境は、人口減少やマイナス金利政策の長期化などで厳しい。金融庁は収益力や財務の健全性に問題のある地銀に対して監視を強化するなど、再編圧力が強まっている。
経営規模の小さい筑邦銀は生き残りの策として他行との統合よりも、フィンテックや有価証券の運用などに強みを持つ「異業種」との連携に活路を見いだし、SBI側からの提案に応じた格好だ。SBIグループとは平成29年から金融商品の仲介サービスや共同店舗の運営などで提携を始めていたことも、後押しした。
先にSBIの出資を受けた島根、福島両銀行は経営が厳しく「救済」の側面もあったが、筑邦銀は両行と比べ経営状況は悪くない。SBIによる株式取得比率も島根銀(約34%)、福島銀(約19%)に対し、筑邦銀は小規模にとどまる。
佐藤氏は「筑邦銀の場合はこれまでの流れとは異なると思う。SBIの傘下に入るということではなく、経営の独立性が損なわれることはない」と説明した。
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