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ヘンリー王子夫妻、おとぎ話から一転した結婚


【AFP=時事】英国のヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)は8日、高位王族の地位から退き、北米で過ごす時間を増やすと発表した。

 おとぎ話のような結婚で一躍、英王室の注目カップルとなったヘンリー王子夫婦だが、2年もたたないうちに高位王族から退くという衝撃的な発表を行うこととなった。

■一目ぼれ

 ヘンリー王子が米女優メーガン・マークル(Meghan Markle)さんと出会ったのは31歳の時だった。当時メーガン妃は34歳で、3年前に離婚を経験していた。一方、ヘンリー王子は何人かとの交際経験があり、10年間の陸軍任務経験があった。

 2人はメーガン妃がロンドンに立ち寄った2016年7月、共通の友人の紹介で知り合った。当時はお互いのことをほとんど知らなかったと後に話している。2人の仲は急速に深まり、ヘンリー王子は2017年11月の夜、ローストチキンを調理している最中にプロポーズした。

■おとぎ話のような結婚式

 2人の結婚を英メディアは歓迎した。メーガン妃は働く自立した女性で、近代的なイメージを醸しだしており、英王室に新しい風を吹き込むと考えたのだった。

 また国民は、12歳で母親のダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)を亡くした少年が、幸せを見つけたことに安堵(あんど)した。

 2人は2018年5月19日、ウィンザー城(Windsor Castle)で結婚式を挙げた。メーガン妃は実の父親と疎遠になっていたため、バージンロードの途中までは一人で歩き、残りはチャールズ皇太子(Prince Charles)が付き添った。

■第1子の誕生

 王子夫妻は、2ベッドルームの家から、ロンドンのケンジントン宮殿(Kensington Palace)に移り住んだ。その後、第1子の誕生を控えた2019年4月、ケンジントン宮殿よりも広い、ロンドン西郊ウィンザー(Windor)のフログモア・コテージ(Frogmore Cottage)に移った。

2019年5月6日に誕生した第1子は、アーチー・ハリソン・マウントバッテンウィンザー(Archie Harrison Mountbatten-Windsor)と名付けられた。

 アーチー君をウィンザー城でお披露目した際、メーガン妃は「私には最高の男性が2人いる。とても幸せだ」と話していた。

■歓迎ムードから一転

 2人の結婚を取り巻いていた歓迎ムードは、だんだんと剥がれ落ちていった。

 批評家らは、王子夫妻のぜいたくな暮らしやメディアとの闘い、環境保護を訴えながらプライベートジェットに乗る偽善的とも思える行動を批判した。

 メーガン妃は難しい人物で、職員が次々に辞めているとのうわさも広がった。

 さらに、メーガン妃の陣痛が始まったと発表した時には、既に子どもが生まれていたことも英メディアを激怒させた。また、アーチー君の名付け親を明かさないと決めたことも、もったいぶっているとみられた。

 フログモア・コテージの改装に240万ポンド(約3億4000万円)かけたことも批判の的となった。

 昨年9月のアフリカ訪問は好意的に受け止められたが、10月初めに複数のメディアを批判し、ある大衆紙グループを提訴したことで、自らの手で台無しにしてしまった。

 同月には、英民放ITVのドキュメンタリー番組でヘンリー王子が、兄のウィリアム王子(Prince William)とは「異なる道を歩んでいる」と発言。2人の関係には「良い日」もあれば「悪い日」もあると述べ、ヘンリー王子夫妻と英王室の距離ができつつあるとのうわさを認めた形となった。

高位王族としての地位の引退

 王子夫妻は8日の声明で、高位王族としての地位から身を引き、経済的独立に向けて取り組むと同時に、引き続きエリザベス女王(Queen Elizabeth II)を支援すると表明した。夫妻の活動費は現在、ヘンリー王子の父親であるチャールズ皇太子からの資金によって賄われている。さらに、新たな慈善団体を立ち上げ、多くの時間を北米で過ごすとも述べている。

 エリザベス女王が公務を減らし、ゆくゆくはチャールズ皇太子が王位に就いた時には、英王室の中で年長メンバーに属するヘンリー王子とメーガン妃には、多くの役割が期待されていた。

 だが未来は今、不透明となった。【翻訳編集】 AFPBB News

AFP=時事

 

 

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