井岡一翔が大みそか7勝!次はロマゴンか田中恒成か
- スポーツ
- 2020年1月1日
WBO世界スーパーフライ級選手権◇31日◇東京・大田区総合体育館
4階級制覇王者井岡一翔(30=Reason大貴)が、8度目の大みそかで初防衛に成功した。無敗の同級1位ジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)との対戦。攻撃的ファイトで力の違いを見せて3-0で判定勝ちした。
日本人の世界戦最多勝利も16に伸ばした。来年こそ海外、統一戦などのビッグマッチへ挑む。
12センチも長い相手のリーチをかいぐり果敢に距離を詰めて圧力をかけ続けた。井岡は試合後のインタビューで「チャンピオンの強さと世界戦の厳しさを教えてやりたかった」。会場には8月に誕生した第1子となる長男磨永翔(まなと)君の姿もあった。「息子が生まれて初めての試合。気持ちとしてプレッシャーもありました」と涙を見せた。
井岡は大みそかの試合を「一つのルーティーン」「任務」と表現していた。負けたのは18年に4階級制覇初挑戦した唯一海外のマカオだけ。国内では過去6勝(5KO)とより力の入る決戦で、19年も大トリを飾ってみせた。
シントロンは12年ロンドン、16年リオデジャネイロと同国初の五輪連続出場を果たしていた。井岡も五輪を目指していただけにリスペクト。プロでは12戦無敗で、江藤(白井・具志堅)とは挑戦者決定戦の再戦で勝ち上がってきた。
足を止めずに動き回ってカウンター狙いの相手。井岡は「逃げては勝てない。世界戦の厳しさを教え込み、世界王者のすごさを見せたい」と話していた。アマ実績では劣るが、プロでは4階級を制した格の違いを見せた。
サウスポーとは13年5月の2階級目の初防衛戦以来6年7カ月ぶりだった。身長では5・5センチ低く、リーチでは12センチ短かった。2カ月の米ラスベガス合宿では、身長のあるサウスポーを相手に116回のスパーリング。「常に探求心を持っている」とサラス・トレーナーと対策を練ってきた。これで左相手には6戦全勝と、逆にお得意さまを証明した。
6月に再挑戦で日本人初の4階級制覇を達成した。直後に元モデルの女性と晴れて再婚。8月には第1子となる長男磨永翔(まなと)君が生まれた。前回の合宿には身重の夫人も同行したが、今回は生後間もない息子も加わった。
井岡らの食事は夫人の手料理だった。同行した佐々木トレーナーは「助かった。何でもおいしい」と、こちらは5キロも体重が増えたという。一家の大黒柱を自覚し、その家族に支えられ、活力を与えられ、大きな励みに練習に打ち込み、指名挑戦者も下した。
2年前の大みそかに1度引退したが、18年秋に再起した。1年前の挑戦は敗れたが、2年越しで1つの目標の4階級制覇は達成した。もう一つの目標は海外でのビッグマッチだ。
20年はさらに飛躍の年にしたい。他団体王者との統一戦、4階級制覇王者のローマン・ゴンサレスも挑戦に名乗りを上げている。セミでV3に成功した田中も挑戦の意向を持ち、WBOが後押しを表明している。群雄割拠の同級で、井岡はNO1への新たな道に進む。
▽元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者内山高志氏の話 井岡は距離をつぶし、相手がしたいボクシングをさせなかった。ディフェンス技術と勇気が必要な戦い方だが、練習してきたことを信じ、それを貫いたことが勝利につながった。
◆井岡一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日、大阪・堺市生まれ。興国高で史上3人目の高校6冠。東農大2年中退で09年プロデビュー。11年に当時日本最速7戦目でWBA世界ミニマム級王座、12年にWBAライトフライ級、15年に18戦目の当時世界最速でWBAフライ級王座獲得。17年に引退も18年に復帰。昨年再挑戦でWBOスーパーフライ級王座を獲得し、日本初の4階級制覇達成。164センチの右ボクサーファイター。家族は夫人と1男。
一言コメント
相変わらずの強さだ。
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