漏えい先は郵政の「ドン」…立ち回りうまく、社員の支持厚く
- 不祥事
- 2019年12月21日
総務省からかんぽ生命保険問題を巡る行政処分の検討状況を聞き出していた日本郵政の鈴木康雄上級副社長は、総務省時代の実務経験を背景に、グループ内で圧倒的な影響力を持つ「ドン」として存在感を発揮してきた。
鈴木氏は総務省では、政権交代の余波で次官任期は約半年と短かったが、郵政行政局長や情報通信政策局長(いずれも当時)を務めた。郵政・通信の両分野で実務に精通しながらも、足しげく国会周辺の永田町に通い、影響力を持つ郵政族からの評価は高かった。
特に、強気とも取れる発言や立ち回りのうまさから、「戦略家」との呼び声もあった。かんぽ問題に関連するNHKの取材手法に対して「まるで暴力団」と発言した際も、不適切契約問題に国会質問が集中しないよう話題をすり替える「鈴木流の戦術」(永田町有力者)との臆測もあった。
郵政グループ内でも、2013年に日本郵政副社長に就任して以降、民間登用される歴代の社長の懐刀となってきた。就任当初は東芝出身の西室泰三社長を支え、一時は、体調不良の西室氏に代わって社長業務を代行。社員の経歴や家族構成などに細かく目配りし、社員からの支持も厚かったという。16年に現在の長門正貢社長体制になっても側近として仕え、日本郵政の在籍年数は6年を超えている。
一言コメント
顧客でなく霞が関を向いていた!?
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