かんぽ再開、3度目延期へ 不正契約9000件に 調査完了のめど立たず
- 企業・経済
- 2019年12月16日
かんぽ生命保険の不正販売問題で、同社と日本郵便は、「来年1月中」としていたかんぽ商品の営業再開を延期する調整に入った。不正の疑いがある契約18万3000件の調査が完了していないことに加え、今後金融庁と総務省による行政処分が予想される中で、早期の営業再開は難しいと判断している模様だ。両社は7月から営業を自粛し、これまで2度にわたって営業再開時期を延期している。自粛期間が長引けば、業績への影響は一段と大きくなる。
両社と親会社の日本郵政は18日、不正問題の社内調査結果を公表する。不正の疑いのある契約18万3000件(契約者数15万6000人)のうち、郵便局員による虚偽説明などの保険業法違反や、家族の同席を省くなどの社内規定違反は、過去5年間で約9000件に達する見通し。契約者への確認が進んだことで、9月の中間報告時点の6327件から大幅に拡大する。
ただし、かんぽ生命と日本郵便がこれまでに接触できた契約者は、調査対象の約8割の約12万人で、3万人以上といまだに連絡が取れていない。また、販売担当者の聞き取りも途中の上、約1900万人に及ぶ全契約者を対象とした意向確認調査も継続中で、完了のめどは立っていないのが現状だ。
一方、金融庁は13日に立ち入り検査を終え、年内にも行政処分を出す方針。両社は処分結果を待って営業再開時期を最終判断するが、業務改善にとどまらず一部業務の停止を命じられる可能性があり、「年明けの再開で理解を得るのは難しい」(幹部)とみている。
かんぽ生命は当初9月からの営業再開を目指したが、10月1日に延期し、さらに「調査と再発防止策を優先する」として1月まで再延期していた。
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社内体制も大丈夫?
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