西部ガス、単独でLNG輸出計画 中国で独自販路開拓
- 企業・経済
- 2019年12月14日
西部ガスが、単独で中国内陸部に液化天然ガス(LNG)を輸出する計画を立てていることが13日、分かった。道永幸典社長が産経新聞のインタビューに応じ、明らかにした。西部ガスは、ロシアのガス生産・販売大手、ノバテクとひびきLNG基地(北九州市若松区)を中継地にLNGを輸出する合弁会社設立について協議中だが、並行して独自の販路開拓を進める。
計画では、ひびき基地に隣接する北九州港から専用コンテナに積み替え、中国に海上輸送する。同社がひびき基地に受け入れたLNGのうち、荷揚げ地を事前に限定する「仕向け地条項」に抵触しないものを転売する。道永氏らが来年1月にも訪中し、現地のガス供給会社と詳細を詰める。
大気汚染対策として、石炭の利用抑制を進める中国では、天然ガス需要の伸びが著しい。従来のロシアからのガスパイプラインに加え、近年は沿岸部で大型のLNG受け入れ基地の建設が進む。ただ、広大な国土すべてにガス導管を張り巡らせることは非現実的だ。このため内陸部向けに、黄河など大河を運航可能な小型船や鉄道を使ったコンテナによるLNG輸送網構築を進めている。
9月には、ロシア海運大手の極東海運(FESCO)と中国の物流企業が、鉄路、海路を使った極東地域からのLNGコンテナ輸送について提携合意を交わした。
西部ガスは、中国で急拡大するLNG需要に食い込んで一定の販売量を確保することで、日本国内の需要減を補う考えだ。独自の販路を持つことで、将来のLNG輸入契約の更新や、現在進めるノバテクとの協議などでの交渉力の強化が期待される。その結果、LNGの調達単価が引き下げられれば、収益向上にもつながる。
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