鈴木愛が2年ぶり賞金女王奪還 渋野へのライバル心隠さずつかんだ頂点
- スポーツ
- 2019年12月2日
◆女子プロゴルフツアー メジャー最終戦・LPGAツアー選手権リコー杯最終日(1日、宮崎CC=6535ヤード、パー72)
今季7勝を挙げて最終戦を賞金ランク首位で迎えた鈴木愛(25)=セールスフォース=が2017年以来、2年ぶり賞金女王に返り咲いた。12位から出た最終ラウンドを6バーディー、2ボギーの68で回り通算5アンダーで5位。渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は3バーディー、1ボギーの70で7アンダーで2位タイ。最終組のペ・ソンウ(韓国)が11アンダーで優勝し、鈴木の女王が確定した。
鈴木愛(ホールアウト後のコメント)「やることはやった。あとは運にまかせるしかない。ようやく思うようにスコアも出て、思うように入ってくれたので久しぶりに良いラウンドができた」
鈴木は10月のマスターズGCレディース終了後には当時トップの申ジエと約3817万円差をつけられていた。11月に入り前週まで優勝、優勝、優勝、2位。ツアー記録に並ぶ3週連続優勝を達成した伊藤園レディスで賞金ランク首位に立った。申、渋野と最終戦までもつれた賞金女王レースを制した。これまで年間7勝以上した選手は不動裕理(03年10勝、04年7勝)、イ・ボミ(15年7勝)を含めて3人。いずれも賞金女王を獲得している。
2年前は年間2勝で日本人では13年の森田理香子以来、4年ぶりの賞金女王に輝いた。昨年は6月までに4勝も、夏場以降は右手首負傷の離脱が響き、3位に終わった。迎えた今季は6月までに3勝。しかし、8月に渋野がAIG全英女子オープンを制すると、世界ランクで日本人2番手から3番手に後退。「うらやましいというより、悔しい気持ちが上回っている。(東京五輪代表圏内の)2番手に入るには、ここから5勝したい」と、ライバル心を隠さなかった。
10月にけがで数試合欠場したが、11月からの猛追で、世界ランクは渋野の12位に迫る17位まで上げている。前日の第3ラウンド後には賞金女王への重圧を問われ、「多少は感じる。正直、復帰した時点で申ジエさんとだいぶ差があったので、ここまで来られるとは思っていなかった。申さんか渋野さんが勝つと思っていた人がほとんどだと思うので、ある意味ここまで裏切って来られた。最後も良い意味で裏切って自分が賞金女王になれたら」と話していた。
TOTOジャパンクラシック優勝で得た来季米女子ツアーのメンバー登録は、先月18日の締め切り期限ぎりぎりまで悩んだ末に見送った。来季も国内を主戦場とし、メジャーなど出られる試合にはスポット参戦する予定。賞金女王の称号を背負い、東京五輪出場を目指す。
◆鈴木の今季7勝
PRGRレディス
宮里藍サントリーレディス
ニチレイレディス
ニトリレディス
樋口久子三菱電機レディス
TOTOジャパンクラシック
伊藤園レディス
◆鈴木 愛(すずき・あい)1994年5月9日、徳島・三好郡生まれ。25歳。10歳でゴルフを始め、鳥取・倉吉北高2年時に中国女子アマ制覇。2013年にプロ転向。14年の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯を大会最年少で制しツアー初V。通算16勝。得意クラブはパター。17年、19年賞金女王。155センチ。
一言コメント
2人とも最後まで盛り上げてくれた。
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