日系企業が集めた31億円、ほぼ償還不能 NZで詐欺か
- 詐欺・悪徳商法
- 2019年12月1日
ニュージーランド(NZ)で、日系企業が投資目的などで顧客から集めた計4500万NZドル(約31億円)の大半が、償還不能になっていることが分かった。200人以上いる顧客の大半は日本人で、同社は清算手続き中。捜査当局も事態を把握し、詐欺事件として立件が可能か調べている。
問題の企業は、NZの最大都市オークランドに本社があったイーストウィンドグループ。資産運用や移住支援などのサービスを掲げる7社からなる。顧客から集めたお金を一括してNZの銀行に預ける「グループ定期預金」を掲げ、個人名義の口座よりも高い年率3~9%の利息を受け取れるなどと宣伝。日本円とNZドルの間の為替の変動を見ながら両替を繰り返して運用益を出す、とうたった金融商品も売り出していた。
7社はいずれも同じ日本人男性が実質的にワンマン経営しており、この男性が今年2月に病気で死亡したことで、経営が行き詰まった。気づいた顧客らが自分たちの資産回収をしようとして、問題が発覚した。
顧客らの申し立てを受けた裁判所は、同グループの清算人として2人を選任。その1人のティモシー・ダウンズ氏によると、同グループに債権を持つ顧客は約220の個人・法人で、そのうち8割以上が日本に住む日本人だった。債権の総額は計4500万NZドルだが、清算人の調査では、同グループに残っている資産は、NZ国内の銀行に預けていた計103万NZドル(約7千万円)だけだという。
同グループは、NZの法律で義務づけられる金融サービス業者登録もしていなかった。ダウンズ氏は「『ポンジ・スキーム』と呼ばれる詐欺であることは明らかだ」と指摘する。集めたお金を運用した利益を還元するとうたいながら運用をせず、新たな顧客から集めたお金で以前からの顧客に利息や配当金などと偽って渡す投資詐欺の一つだ。
金融事件や詐欺事件を扱う重大不正調査局(SFO)の報道官は、清算人や債権者から苦情を受け付けているとして「捜査するかどうかを決めるため、調査している」と答えた。
一言コメント
死人にムチ打ってでも解明すべきだ。
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