日本酒づくり、新規参入を許可へ 輸出向け特化 政府が酒税法改正へ
- 流通
- 2019年11月21日
政府・与党が日本酒の海外輸出を促進するため、輸出のためであれば製造場の国内新設を認める方向で検討していることが20日、分かった。日本酒は国内の需要が減少していることなどから、需給調整のため現在は製造免許の新規発行が原則認められていない。ただ、海外で日本酒人気が高まっていることから、海外向けに特化した日本の酒造メーカーを誕生させ、世界のアルコール市場の取り込みを図る。
年末に取りまとめる令和2年度与党税制改正大綱に盛り込んだ上で、来年の通常国会に酒税法の改正案を提出、早ければ同年4月1日の施行を目指す。
国税庁によると、少子高齢化に伴う飲酒人口の減少や健康意識の高まりといった生活習慣の変化により、平成の初めごろは1兆円程度だった日本酒の出荷額は減少傾向が続いており、近年は4千億円程度で推移している。
一方で輸出額は9年連続で過去最高を記録するなど増加。30年には約222億円が輸出された。国際的なコンクールで受賞するなど世界的な評価が高まっていることに加え、海外での和食ブームも後押ししているという。国内市場が縮小する一方、世界市場は今後も拡大するとみられており、世界での販売を拡大することで、日本の酒造産業全体の活性化を目指す。
輸出向けに限定することで、国内販売が中心の既存の酒蔵などへの影響は最小限に抑える。年間6万リットルという最低製造数量基準も適用除外とし、小規模事業者の参入をしやすくするほか、既存の酒蔵が輸出向けに高付加価値の日本酒を少量だけ製造するといったこともできるようにする。
品質の悪い製品が出回らないように、新規参入の際には国税庁が施設や技術が十分に備わっているかの審査を強化する。
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税収増も狙っている!?
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