処分逃れ?郵便局員、調査前の退職相次ぐ 金融庁が引き留め要請
- 企業・経済
- 2019年11月12日
かんぽ生命保険の不正販売問題で、金融庁がかんぽ生命と日本郵便に対し、販売を担当した郵便局員の退職を安易に認めないよう要請していたことが、関係者への取材で分かった。現在、両社は不正販売について局員への聞き取り調査を実施しており、不正に関与した疑いがある局員が自主退職することで調査が困難になるのを防ぐ措置とみられる。要請を受け、日本郵便は退職希望者の引き留めを図るとともに、退職者には調査への協力を約束させる誓約書を書かせている。
「不正販売を隠蔽(いんぺい)しようとした局員が退職した。解雇処分を受ければ退職金が支給されないので、逃げたのではないか」(東海)
「顧客に保険料の二重払いをさせていた局員が8月末に辞めた」(関西)
一連の不正発覚後、西日本新聞には不正に関与した局員の退職情報が相次いで寄せられている。
関係者によると、金融庁が日本郵便などに退職者への対応を要請したのは9月。日本郵便は退職を申し出た局員に調査終了まで退職しないよう慰留し、引き留められなかった場合は「(退職後も)会社の調査に対して協力します」と記載した誓約書にサインを求める措置を取っている。
これらの措置は強制ではなく、局員の任意に基づく。かんぽ生命は取材に「退職者から調査協力が得られない場合は、契約者へのヒアリングや物的証拠に基づいて不正を認定する」と説明。不正と認定されれば、生保各社が加盟する生命保険協会のデータベースに氏名などが登録され、他社に転職しても保険営業に携われないという。
かんぽ生命と日本郵便は不正販売が疑われる約18万件の契約内容について年内に調査を終える予定。9月30日に公表した中間報告では、法令違反や社内規定違反の疑いがある契約は6327件に上っていた。金融庁は9月から両社に立ち入り検査を実施しており、年内にも行政処分を出す見通し。
一言コメント
処分より退職を選ぶのか…
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