日本女子、ストレート負けで2大会連続銀 伊藤美誠が世界3位に奮闘も、高い中国の壁
- スポーツ
- 2019年11月11日
卓球のJA全農ワールドカップ(W杯)団体戦の女子決勝が10日、東京体育館で行われ、世界チームランク2位の日本は同1位の中国に0-3で敗戦。2大会連続4度目の銀メダルとなった。2011、13、18年大会に続く4度目の決勝だったが、全て中国に敗戦。五輪、世界選手権、W杯の3大大会の団体戦では、1971年世界選手権以来48年ぶりの中国戦勝利はならず、卓球王国にW杯9大会連続11度目の優勝を許した。
第1試合のダブルスは、主将の石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)組が、世界ランク1位・陳夢、同2位・劉詩文の組と対戦した。第1ゲームは先制点を奪い、5-3と一時リードしたが、結果的に7-11で先取された。
第2ゲームは9-11。第3ゲームは平野の回転をかけたリターンなどで相手のミスを誘うと、石川もフォアスマッシュを炸裂させ、5連続ポイントで5-1とリードした。得点を奪うたびに向かい合って拳を握る。息の合ったプレーで10-7のゲームポイントとしたが、ここから5連続失点。女王の驚異の粘りにストレート負けした。
第2試合のシングルスでは、エース・伊藤美誠(スターツ)が世界ランク3位・孫穎莎と激突した。10月のドイツオープン決勝で敗れた相手に対し、前に出る持ち前の積極的な攻撃でスタートから5連続ポイント。しかし、徐々に対応され、今度は5連続失点で同点に追いつかれた。一進一退の攻防が続き、最後は相手のフォアが外れ、11-8で第1ゲームを先取した。
第2ゲームも強打を武器に攻める。パワー型の相手に臆せず、自分のプレーを徹底し、9-4とリード。5連続失点で同点に追いつかれたが、10-9から強烈なバックハンドを決めて2ゲームを連取した。第3ゲームはミスもあり6-11。第4ゲームも勢いに乗った相手を止めきれず9-11で落として追いつかれた。
火花散る最終ゲーム、スティックバルーンの音とともに「ニッポン」コールが鳴る。10-7でマッチポイントとしたが、10-9から相手のチキータでリターンエースを許す。さらに連続失点で接戦を落とした。日本ファンのため息が響く一方で、中国国旗が揺れる。敗れた伊藤は天を仰いだ。
第3試合は、平野が劉詩文に敗れ、4度目の準優勝。最新の世界ランクの6位まで中国勢が占め、今大会は同4位の朱雨玲を除く5人で構成された絶対女王を崩せなかった。この日出場した日本勢は、伊藤が7位、石川が8位、平野が10位だった。
今大会は、東京五輪と同じ会場でテスト大会として行われ、五輪と同じく第1試合にダブルス、第2試合以降にシングルスを最大4試合実施。12か国で争われ、1990年の第1回大会以来29年ぶりの日本開催で、東京五輪に向けた前哨戦だった。
一言コメント
来年こそこの壁を乗り越えてもらいたい。
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