後絶たない乗務前飲酒、日航に再び改善命令へ…異例の1年以内2度目
- 企業・経済
- 2019年10月8日
パイロットの飲酒不祥事が頻発する日本航空に対し、国土交通省は8日にも、航空法に基づく事業改善命令を出す方針を固めた。日航は元副操縦士が過剰飲酒で英当局に逮捕された事件で昨年12月に同命令を受けたが、その後も乗務前の飲酒検査に引っかかるパイロットが3人出ていた。大手航空会社が1年以内に同命令を2度受ける例は過去にないという。
事業改善命令は、事業許可取り消し、事業停止命令に次ぐ重い行政処分。
航空各社では昨年来パイロットらの飲酒不祥事が相次いで発覚。国交省は昨年12月21日、全日空やスカイマークなど4社を厳重注意とする一方、日航については元副操縦士が会社の飲酒検査を不正にすり抜けるなどしており、悪質性が高いとして事業改善命令とした。
日航は同命令を受け、飲酒問題を起こしたパイロットの処分の強化や、社内に「アルコール対策特別委員会」を新設するなどの再発防止策を国交省に報告した。国交省も今年1月、それまで各社任せだったパイロットの乗務前後の飲酒検査を法令で義務化し、微量でもアルコールが検出されれば乗務を禁じるなどの規制を打ち出した。
しかし、日航では今年4~9月、国際線の機長を含むパイロット計3人から乗務前検査でアルコール分が検出された。うち8月の不祥事は、日航ジャンボ機墜落事故の発生から34年となる日(12日)の2日前に起こしていた。国交省は不祥事が後を絶たず、再発防止策は極めて不十分だと判断。再命令で、さらに厳格な対策を講ずるよう求める方針だ。
日航に対する昨年末の同命令は、滑走路への誤進入など安全上のトラブルが相次いだ2005年以来13年ぶりのことだった。
一言コメント
罰金もガッツリ取ったら?
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