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歴代政権悩ます「鬼門」=導入30年、根強い反発-消費税の歩み


 1989年に誕生した消費税は「関わると選挙に負ける」と言われ、歴代政権を悩ます「鬼門」とされてきた。

導入当初から国民の反発が根強く、税率引き上げ議論はたびたび難航。それでも財政健全化に向け、2度の引き上げを経て、当初予定より4年遅れで10月に10%の大台に乗る。

竹下登内閣の下で消費税を導入した直後の89年夏に行われた参院選。消費税廃止を掲げた社会党が大勝し、自民党の宇野宗佑内閣は退陣した。94年には非自民連立政権を率いた細川護熙首相が高い支持率を背景に、消費税に代わる「国民福祉税」構想を突如発表。ただ、7%とした税率の根拠を示せず、構想は瞬く間に立ち消えた。

97年4月、財政再建を掲げる橋本龍太郎内閣は消費税率5%への引き上げを断行した。金融不安やアジア通貨危機などが重なり、日本経済は不況に陥った。翌年夏の参院選で自民党が大敗すると、それ以降「消費税は自民党にとって大きなトラウマ」(同党元幹部)となった。

2000年代に入り、5年5カ月の安定政権を維持した小泉純一郎首相は「任期中は上げない」と消費税増税を凍結。小泉氏の在任中は景気拡大局面が訪れており、財政再建を主導する立場の財務省では現在でも「あの時に上げていれば」(幹部)と恨み節が聞かれる。

増税議論を再開させたのは民主党を中心とした野田佳彦内閣だった。12年に当時野党だった自民、公明両党との3党で税率を2段階で10%まで引き上げることで合意した。その後、民主党は同年の衆院選で惨敗。政権に復帰した自民党の安倍晋三内閣は14年4月に8%へ引き上げたものの、10%への増税は2度延期した。

消費税について「この30年間で消費者の理解は進んだ」(元財務省幹部)との見方は多い。今夏の参院選では、増税を前に自民、公明の与党が改選議席の過半数を確保した。一方、「消費税廃止」を前面に掲げたれいわ新選組が躍進するなど「いまだに消費税に対するアレルギーは根強い」(自民党関係者)という声も聞かれる。安倍首相も10%超への消費税率引き上げについて「10年くらい必要ない」と消極的だ。

時事通信

 

 

一言コメント
国民にはもう反発する力もなさそうだけど…

 


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