香港デモで観光業が悲鳴 繁忙期の夏休み「客足9割減」
- 国際
- 2019年9月24日
香港で続く抗議デモを受けて、全体の約8割を占める中国本土からの訪問客が激減し、地元の観光業に暗い影を落としている。10月1日の国慶節に始まる大型連休がかき入れ時だが、「今年は期待できない」との見方が広がる。
「今日はまだ一人も客が来ていないよ」
9月の夕方。夜景で知られる香港島の大観覧車のそばで観光客向けの記念撮影の店を営む蔡さん(56)は嘆いた。夏休みは繁忙期だが、「客足は9割減だ。欧米からも中国からもまったく来なくなった」。
この商売を始めて30年以上。2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行で観光客が減ったことがあったが、「今回はその時よりひどい。早く平静さを取り戻してほしい」とため息をつく。
香港島の対岸にある繁華街の尖沙咀(チムサーチョイ)。高級ブランド店が立ち並ぶ広東道は閑散としていた。飲食店を営む女性は「7月ごろから中国本土の客が来なくなり、周辺のブランド店はがらがらになった。うちも売り上げは半減だ」とぼやいた。
名だたる観光地も人影は少ない。香港島のテーマパーク「海洋公園」によると、7~8月の入場者数は前年同期比26%減。「減少分のほとんどは中国本土からの旅客だ」という。香港のディズニーランドが混雑していない様子も地元メディアで盛んに報じられた。
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