東電、見通しの甘さと経験不足 遅れる停電全面復旧
- 事件・事故
- 2019年9月12日
台風15号による千葉県を中心とした大規模停電は、発生から3日目となった11日も同県では依然として約39万4千戸(午後8時現在)の停電が続き、全面復旧は13日以降になる見通しとなった。なぜ全面復旧は大幅にずれ込むことになったのか。背景には、東京電力の見通しの甘さに加え、経験不足が見え隠れする。
東電は当初、10日の段階で11日中の完全復旧を掲げていた。だが、落雷による作業中断のほか、想定以上に現場の作業量が膨らみ、11日中は難しいとの判断の修正を迫られた。
一般的な停電では、損傷した部品の取り替えだけで済む。だが、台風をはじめとする大きな自然災害の場合、部品取り替えに加え、倒木の撤去などの作業が加わる。電線が建物に接触したケースでは、電線の引き離し作業も必要になる。
東電関係者は「もともとの工事の見通しが甘く、11日中の完全復旧の表明自体が、かなり無理のある見込みだった」と話す。
そもそも台風が関東地方に上陸したのは平成28年8月以来で、その前となると17年8月にさかのぼる。別の東電関係者は「台風直撃が少なく、東電に復旧ノウハウが不足していた可能性が高い。作業量の増加を加味できなかったとみられる」と指摘する。
東電は、北海道電力や九州電力など大手各社に樹木伐採の作業者を含む復旧要員の追加派遣を要請し、復旧を急ぐ。
一言コメント
電気の大切さを改めて思い知らされた。
コメントする