〔米株式〕NYダウ急落、623ドル安=米中摩擦激化で(23日)☆差替
- 経済情報
- 2019年8月24日
【ニューヨーク時事】週末23日のニューヨーク株式相場は、米中貿易摩擦の激化を嫌気し、急反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比623.34ドル安の2万5628.90ドルで終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数は239.62ポイント安の7751.77で引けた。
ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比3億2947万株増の10億4704万株。
中国政府はこの日、米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル(約7兆9000億円)相当に、9月1日から最大10%の追加関税を課すと明らかにした。
さらに、1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12月15日に再び導入し、最大25%の税率を上乗せする。
これを受け、トランプ米大統領はツイッターに「きょうの午後、中国の関税に対応する」と投稿し、対抗措置を取ると警告。中国に進出する米企業に、拠点撤退や米国への生産移転を検討するよう求めた。トランプ氏は「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」などと怒りをあらわにした。
一時プラス圏に浮上していたダウは、トランプ氏の投稿後に急落。市場関係者は「ツイートで市場は一気にリスク回避ムードに転じ、アップルやナイキなど、中国での不買運動が懸念される企業の下げがきつくなっている」(日系証券)と説明した。
一方、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこの日、米ワイオミング州ジャクソンホールで講演。「景気拡大持続へ適切に行動する」と述べ、追加利下げに踏み切る考えを示唆した。ただ、利下げの時期については明言を避けたほか、市場が9月の金融政策会合での利下げをほぼ織り込み済みのため、ダウの上昇は限定的。直後のトランプ氏のツイートで上げ幅は一掃され、大幅安となった。
個別銘柄(暫定値)では、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)が7.4%安、アップルが4.6%安、インテルが3.9%安、ナイキが3.4%安、キャタピラーが3.3%安と、半導体など中国事業への依存度が高い銘柄を中心に売りが膨らんだ。一方、ボーイングは0.5%高と、ダウ構成銘柄では逆行高。この他、顧客管理ソフトウエア大手のセールスフォース・ドットコムが2.3%高。
一言コメント
政治に翻弄されているようだ。
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