懸念ある地銀を監視=「早期警戒制度」活用-金融行政方針
- 政治・経済
- 2019年8月21日
金融庁が今月末にも公表する「2019年度金融行政方針」の概要が20日、明らかになった。
将来の収益性に懸念のある地方銀行への監視を重点施策として明記。収益性などに問題があれば経営改善を促す「早期警戒制度」を活用する。
金融庁は同方針で、地銀について「足元の健全性は確保されている」としつつ、貸し出し利ざやの縮小などで「本業のもうけや純利益が低下傾向にある」と言及。融資の焦げ付きに備えた貸倒引当金といった信用コストが17年度以降上昇しており、「今後注視していく必要がある」と指摘した。
過疎化などを背景に衰退が見込まれる地銀のビジネスモデルの持続可能性については、全国各地の財務局と一体で対話や検査を進めるという。
6月に見直した早期警戒制度は、将来のビジネスモデルや収益性を重視。本業のもうけで赤字が続いたり、自己資本比率が4%を下回ったりすると見込まれれば、立ち入り検査や行政処分などで厳しく対応する。
一方、地銀の経営改善にもつながる環境整備として、企業への出資を原則5%までと定めている規制を緩和。デジタル化の進展に伴う金融サービスの変化に応じて金融法制も整備する。
さらに、サイバーセキュリティーや暗号資産への対応を強化するほか、高齢者や障害者、被災者など多様な利用者が金融サービスを受けられるよう、金融機関に取り組みを促す。
同方針では「『金融育成庁』として多様な利用者の視点に立った取り組みを推進する」と強調している。
一言コメント
それだけヤバくなってきたということ?
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