政府、アフリカ諸国と「2国間委員会」 ケニアなど10カ国と 民間投資増促す
- 政治・経済
- 2019年8月17日
政府は、横浜市で28~30日に開く第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に合わせ、ケニアやナイジェリアなど約10カ国と個別に、日系企業の進出を後押しする「2国間委員会」を初めて設立する方針だ。人口増加が著しいアフリカは「最後の巨大市場」とされるが、日系企業は中国や欧米の企業に比べて、進出が遅れている。政府主導による環境整備で、アフリカへの民間投資増を促す。
政府関係者によると、委員会には日系企業なども加わる。TICAD7に合わせた安倍晋三首相と各国首脳との会談で合意を目指す。日本政府はTICAD7で発表する文書にも盛り込みたい考えだ。
アフリカには、企業進出時の行政手続きや許認可の基準が不透明な国が多い。賄賂の要求や知的財産権の侵害など法令順守の意識が希薄な国もある。日本貿易振興機構(ジェトロ)が昨年実施した在アフリカ日系企業への調査でも、9割近くが「規制・法令の未整備」を指摘した。企業だけで対応するのは難しい実情も踏まえ、各国との2国間委員会で、課題解決を目指すことになった。
一方、日本政府はTICAD7で採択する首脳宣言で、アフリカの一部の国が債務超過に陥っている現状に懸念を示す方向だ。中国による過剰融資を念頭に、アフリカ諸国と問題意識の共有を目指す。日本が債務負担に苦しむ国に数年単位で財政・金融の専門家を派遣し、財政再建に取り組む計画も打ち出す。
人口約13億人のアフリカは2050年には約25億人とほぼ倍増し、世界の人口の4分の1を占めると予測されている。ジェトロによると、アフリカへの直接投資残高(17年末時点)は、フランス640億ドル、オランダ630億ドル、米国500億ドル、中国430億ドルとなっているのに対し、日本は87億ドルにとどまっている。【鈴木一生】
◇TICAD(アフリカ開発会議)
「Tokyo International Conference on African Development」の略称。日本が主導し、1993年に国連などと共同で始めた。2013年の第5回会議までは5年ごと、以降は3年ごとに首脳級会合を開き、アフリカの開発や人材育成を話し合っている。当初は「日本の援助」の色彩が濃かったが、最近は「民間の投資促進」に重点を移している。16年の第6回会議では、日本が3年間で官民総額300億ドルの投資を表明した。
一言コメント
アフリカのホワイト国を増やすのもアリだ。
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