大間マグロ、まさかの販売苦戦=小型でトロ少なく、外国産競合も-豊洲市場
- 流通
- 2019年8月11日
青森・大間ブランドなどが知られる津軽海峡産のクロマグロが思わぬ販売不振に陥っている。東京・豊洲市場(江東区)には例年を上回る数の同産マグロが入荷しているが、ほとんどがトロの部分が少ない小型魚。米国などから大きくて脂の乗った強力なライバルが順調に入荷していることから競りで買い手が付かないケースも多く、市場関係者は頭を抱えている。
津軽海峡のクロマグロ漁は昨年と同様に7月中旬から始まったが、今年の水揚げは1匹30キロ前後の小型ばかり。同市場にも8月上旬まで、昨年同時期の約8倍の600匹以上が入荷しているが、サイズは小型が大半で、身質や脂乗りに定評がある100キロ以上の大型はほんの数本程度。例年、旬を外れた夏場でも大型は多かっただけに「今年は異常事態」(豊洲の仲卸業者)という。
小型で見劣りするだけでなく「脂がほとんど乗っていない上に、赤身の鮮やかさも足りない」(同)など、品質面の評価も振るわない。取引価格は1キロ当たり2000円前後。上質なマグロが多かった昨年末の5分の1程度で、大衆マグロのメバチやキハダとほぼ同水準にまで落ち込んでいる。
海外産ライバルの台頭も安値の原因になっている。国内の魚市場には米ボストンから150キロ前後の大型クロマグロ、季節が冬のオーストラリアやニュージーランドからも脂の乗ったミナミマグロが大量に押し寄せている。いずれもここ数年は豊漁で、豊洲市場では7月以降、生マグロ売り場の7割近くを輸入物が占める日も珍しくない。上級品には国産マグロを上回る1キロ当たり1万円以上の高値が付くこともある。
今や輸入物が売り場の主役となっている感もあるが、都内の高級すし店などは知名度の高い大間産などにこだわる店も多い。需要期の秋以降に向けて、国内屈指のブランドに見合う、上質なマグロの水揚げ復活に関係者は期待を寄せている。
一言コメント
生き物はホントに難しい。
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