九州での設備投資、高度成長期以来の3年連続2桁伸び 元年度7573億円 政投銀調査
- 経済情報
- 2019年8月2日
日本政策投資銀行が1日発表した設備投資計画調査によると、令和元年度の民間企業による九州内での設備投資額(計画ベース)は7573億円となり、前年度の実績に比べ15・8%の増加となった。2桁の伸びは3年連続で、高度成長期の昭和42~46年度の5年連続以来となる。全国の伸び率(11・3%)も上回り、九州経済の底堅さを裏付けた。(九州総局 小沢慶太)
同銀行九州支店の礒崎隆郎支店長は「九州の設備投資は、全国に比べても活発な状況だ。今後も生産性向上や省力化に向けた投資が継続すると見込まれる」とした。
令和元年度の設備投資計画をみると、製造業が3316億円で前年度実績比13・2%増、非製造業は4257億円で同17・9%増だった。
製造業の中では、電気機械が同97・7%増と大きく伸びた。電子機器の研究開発拠点の整備などが寄与した。また、半導体部品の増産に向けた投資が続く非鉄金属(同42・9%増)も、全体を押し上げた。
非製造業では、不動産関連の投資がみられる運輸(同39・2%増)、福岡や長崎、熊本での都心再開発が本格化する不動産(30・6%増)が牽引(けんいん)した。
一方、電力は太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー関連の投資が一段落したことで、同8・5%減となった。
県別でみると、前年度実績に比べてプラスになったのは、福岡(19・5%増)、長崎(63・9%増)、熊本(80・2%増)、大分(17・4%増)の4県だった。半導体関連や都心のインフラ投資が活発だった。
反対に佐賀は7・3%、宮崎は25・0%、鹿児島は7・4%、それぞれ減少した。食品や再生可能エネルギー関連の投資に、一服感がみられた。
同銀行九州支店によると、米中貿易摩擦や、韓国に対する半導体部品の輸出管理強化の影響は、ほとんどみられなかったという。小川悠貴・企画調査課長は「生産性を上げないと人手不足に対応できない状況で、投資が止まるとは考えていない。ただ、(国際情勢によって)生産が止まると設備投資も控えることになる。今後の影響に留意している」と話した。
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