【スクープ】新幹線長崎ルート「フル規格」「佐賀駅経由」提示へ 与党検討委が5日の会合で
- 政治・経済
- 2019年8月2日
九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)に関し、与党検討委員会がフル規格で整備する方針を示すことが1日、分かった。加えて、佐賀駅を経由するルートが適当であるとの見解をまとめる方向で調整している。5日に開く会合で決定する。複数の関係者が明らかにした。佐賀県は未着工区間の新幹線整備そのものに反発している。地元が求めていない新幹線を、政府・与党が整備しようとする極めて異例の展開となる。
検討委は全線フル規格かミニ新幹線かの2択に絞って未着工区間の整備方式を議論してきた。5日の会合では「フル規格による整備が適当」という趣旨の方針を示す。
旧国鉄が1985年に公表し、86年に環境影響評価(アセスメント)の報告書案をまとめた、通称「アセスルート」と呼ばれるJR佐賀駅を経由するルートを前提にすることが「適当」との判断も示すとみられる。国土交通省もフル規格の試算をする場合、アセスルートを用いてきた。
佐賀県内では有明海に臨む佐賀空港を経由する南回りルートや、長崎自動車道沿いの北回りルートを推す声も一部あるが、JR九州は「交通の結節点である佐賀駅を通らないのは考えられない」、長崎県も「佐賀駅を通らないルートは想定していない」との認識を示していた。
整備新幹線は地元負担を法律で義務付けている。未着工区間が全て佐賀県内であることから、山口祥義知事は「地元が整備を求めていない状況で前に進むことはあり得ない」と主張している。
検討委はこうした佐賀県の立場を踏まえて今後、国交省、佐賀、長崎両県、JR九州の4者による丁寧な協議が必要という認識も示す見通し。検討委は整備方針を決定した上で、佐賀県に協議への参加を呼び掛ける戦略を描くが、県の態度を一層硬化させる可能性もある。(取材班)
一言コメント
果たしてこれで前に進めるのだろうか?
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