概算要求基準、特別枠に4・4兆円 要求額は100兆円超える見通し
- 政治・経済
- 2019年8月1日
政府は31日開いた臨時閣議で、令和2年度予算編成で各省庁が予算を要求する際のルールとなる概算要求基準を了解した。社会保障や成長戦略に重点配分する「特別枠」を4兆4000億円盛り込み、一般会計の要求総額は6年連続で100兆円を超える見通しだ。別枠で今年10月の消費税増税に伴う景気対策費を元年度に続き上積みする方針で、12月末に策定される予算案は、元年度の101兆4571億円を超え、過去最大を更新する可能性が高い。
歳出全体の上限額は7年連続で設けなかった。高齢化などの要因に伴う社会保障費の伸び(自然増)は5300億円とした。医療や介護の費用が急増する75歳以上の人口の伸び率が一時的に鈍化することを踏まえ、元年度の6千億円より額を抑えた。
公共事業などの裁量的経費を元年度予算から10%削り、人件費などの義務的経費も圧縮。削った額の3倍まで特別枠で要求できるようにし、特別枠の合計額を4兆円超とした。
また、内閣府は31日の経済財政諮問会議で最新の中長期の財政試算を示した。国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は高い経済成長が続くケースでも、政府が財政再建努力をした上での黒字化目標とする7年度の段階で、2兆3千億円の赤字が残るとした。
今年1月の前回試算と比べ、世界経済の減速などを背景に成長率が鈍化するとみたほか、国の税収も低めに見積もった。前回試算は7年度に1兆1千億円の赤字としていたが、今回の試算で赤字額が倍増した。
また、高成長が達成されずに、足元の潜在成長率(1%程度)並みの成長が続くケースでみると、PBは試算の最終年度の10年度でも6兆8千億円の赤字が残る見通しだ。
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人口は減るが、予算は増える!?
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