株式市場、「五輪効果」へ期待大 開催前「7勝2敗」の前例
- 経済情報
- 2019年7月25日
2020年東京五輪の開幕まで、24日であと1年に迫った。薄商いが続く東京株式市場では、早くも「五輪効果」への期待が高まりつつある。五輪開催の前年は開催国の株価が上がりやすいなど、五輪と株価には深い関係があるためだ。
三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストが1984年ロサンゼルス五輪以降の夏季9大会について、開催国の主要株価指数の動きを調べたところ、特に開催前年は「7勝2敗」と勝率が高く、株価が上がりやすい傾向がみられた。
ロス五輪の場合は前年のダウ工業株30種平均が18・3%上昇。2008年北京五輪まで7大会連続で株価が上向いた。開催年は6勝3敗だった。
五輪開催国の株価を押し上げているのは、五輪に向けた高揚感に加え、米大統領選が影響しているというのが宅森氏の見立てだ。宅森氏は「4年に1度の夏季五輪は米大統領選とタイミングが重なる。大統領がその1年前から株価を意識した対策を取ることで、世界全体の株価が押し上げられやすい」と話す。
1981年発足のレーガン政権以降、大統領就任3年目の年のダウ平均は8勝1敗。トランプ米大統領も来年の選挙を前に株式市場の動きに神経をとがらせ、米連邦準備制度理事会(FRB)への利下げ圧力を強めている。ダウ平均が最高値更新をうかがう中、足元の日経平均株価も昨年末終値から8・5%上昇している。
一方、五輪の期間中は日本勢の躍進が株価を動かしそうだ。宅森氏によると、1968年メキシコシティー五輪以降の13大会で、日本勢が金メダルを10個以上取った5大会すべてで日経平均が期間中に上昇。五輪のスポンサー企業や活躍した選手がCMキャラクターを務める企業の株が物色されるからだ。
宅森氏は「投資家もスター選手のパフォーマンスにはくぎ付けになる」と話す。東京五輪は東京株式市場の取引時間中に多くの競技が同時並行で進行するため、株価も日本勢の動向に“一喜一憂”しそうだ。
一言コメント
というか五輪の後が怖い…
コメントする