共済を無断解約、JA元職員が3500万円横領
熊本県天草市のJA本渡五和の男性元職員=当時(37)=が2010年3月から16年7月まで6年4カ月にわたり、複数の顧客の共済(保険)契約を無断で解約・減額し、計3530万円を横領していたことが23日分かった。JA側は「親族が全額弁済し、被害者が罰を望んでいない」として刑事告発せず、組合員への説明もしていなかった。
熊日が県に請求した開示文書や同JAによると、元職員は10年2月、共済金を電算処理する業務の担当部署に異動した翌月から計約20回、共済を扱う端末機を不正操作。親族や友人6人の契約計7件の解約や減額を繰り返し、数十万~数百万円を自身の銀行口座に振り込むなどして横領した。1人で端末を操作できる仕組みだったという。
元職員は16年2月、別の担当に異動後も同様の操作を繰り返していたため、後任の職員が気付いた。JA側の調査に元職員は「借金返済や遊興費、横領の穴埋めに使った」と横領を認めたという。
同JAは16年8月、元職員を懲戒免職とし、役員や上司ら12人も、報酬カットや減給などの処分にした。再発防止策として、職員が共済金を口座などに移す際には書面で上司に報告させ、上司がチェックできる仕組みに改めたという。
同JAの松本太一常務は「不祥事の発生を組合員にも説明しておらず不誠実だった。二度とこうしたことが起こらないようにしたい」と言っている。
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郵便局だけじゃなかった!?
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