小売り、外食がインド進出ラッシュ 中産階級台頭 巨大市場に商機
- 企業・経済
- 2019年7月21日
小売りや外食企業によるインド進出の動きが目立ってきた。これまで自動車や電機など製造業の進出が主流だったが、約13億の人口を抱える世界最大の民主主義国で、中産階級が台頭し巨大市場が生まれつつあり、商機が見込める。米中貿易摩擦で中国経済が減速し、進出済みの東南アジア諸国でも景気に一服感が出ている中、小売りや外食企業は有望市場に攻勢をかける構えだ。(吉村英輝)
「ユニクロの世界戦略にとって重要な一歩です」
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは17日、10月にインドのニューデリーに進出すると発表し、柳井正会長兼社長はこう意気込みを示した。
ユニクロはこれまで、新たな進出国では、まず1店を開き市場調査してきた。インド市場では今秋、3店舗を同時期に開店させ一気に顧客を開拓する。
小売りでは、良品計画が運営する生活雑貨店「無印良品」も2016年に西部ムンバイで1号店を開き、現在では主要都市に複数店舗を構える。外食では、「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋が今月8日、カレーの本場インドに進出すると発表した。
インドは多数派のヒンズー教徒が宗教上の理由で牛肉を口にせず、多くは菜食主義者だ。それでも昨年、牛肉を使わない定食などで試験出店した吉野家ホールディングス(HD)は「規模と成長性を考えれば、無視できない」としている。
インド全体の国民1人あたりの国内総生産(GDP)は昨年2135ドル(約23万円)だったが、首都圏では4500ドル超。自動車販売台数は中国、米国、日本に次ぐ第4位だ。少子高齢化が進む中国に比べ、50年ごろまで生産年齢層の人口割合は上昇する。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の西澤知史氏は「安定した政治・社会情勢が日系企業の進出意欲につながっている」と指摘する。
一言コメント
若者が多いのも魅力だ。
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