金融庁、処分へ=顧客軽視の営業、厳しく追及
かんぽ生命保険と日本郵便は、顧客に不利益となる保険契約の存在を認め、両社の社長が謝罪した。金融庁は業務改善命令など行政処分の検討に入る。顧客を軽視した販売実態の詳細を調べた上で、厳しく追及する方針だ。
かんぽ生命の植平光彦社長は会見で、不利益販売の全容解明に関し「顧客一人ひとりの意向を丁寧に確認していく大変時間のかかる調査になる」と述べ、実態解明や顧客対応に相当な時間がかかるとの考えを示した。親会社の日本郵政とかんぽ生命、日本郵便の3社合同で、独立した第三者委員会を早急に設置する方針だが、肝心の調査範囲や期限については全て「未定」(植平社長)と答えるのみ。当事者意識を欠いており、自浄作用は到底望めない状況だ。
保険業法は、契約者に虚偽の内容を伝えたり、不利益となる事実を告げずに既存の契約を解約させて新たな契約を勧めたりすることを禁じており、今回発覚した営業行為は該当する恐れがある。金融庁幹部は「かんぽがまだ調査中で詳細を把握できていない状況だ」と明かしたが、顧客を軽視した一連の営業姿勢を問題視している。麻生太郎金融相は9日の会見で「実態を把握し問題が認められた場合は必要な改善を促す」との考えを表明した。
金融庁は、第三者委による調査の進展を見極めながら、厳格に処分するとみられる。親会社の日本郵政の監督責任も問う構えだ。
一言コメント
うやむやにしてはいけない事案だ。
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