暗殺された金正男氏、CIAの情報提供者だった
- 国際
- 2019年6月12日
【ワシントン】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄で2017年に暗殺された金正男(キム・ジョンナム)氏が、米中央情報局(CIA)の情報提供者だったことが、事情に詳しい関係者の話で明らかになった。
正男氏は複数回にわたってCIAの工作員と接触しており、CIAと「つながり」があったと、この関係者は話している。
正男氏は2017年2月、マレーシアのクアラルンプール国際空港で女2人に猛毒の神経ガス「VX」を顔に塗りつけられて死亡した。米国と韓国は北朝鮮の仕業だとしているが、北朝鮮は関与を否定している。
正男氏とCIAの関係を巡る詳細はまだ分かっていない。米政府の元当局者らによれば、同氏が長年にわたり北朝鮮国外に住んでいたこと、また政府内で権力基盤を持っていなかったことから、同国の詳細な内部情報を提供することはできなかったとみられる。
元当局者らはまた、中国のマカオに生活基盤を置いていた正男氏が複数国の、とりわけ中国の情報機関と連絡を取り合っていたことはほぼ間違いないと述べた。CIAはコメントを控えた。中国政府はコメント要請に応じていない。
事情に詳しい関係者によれば、正男氏の暗殺直後にCIAとの接触が公にならなかったことで情報機関の当局者らは安堵(あんど)していた。だが日本の朝日新聞は事件の3カ月後の2017年5月、マレーシア当局が米情報機関の関係者とみるコリア系米国人と正男氏がマレーシアで会っていたと報じた。
また同関係者によれば、正男氏は17年2月、CIAの窓口を務める人物と会うためにマレーシアを訪問したが、渡航の目的はそれだけではなかった可能性もあるという。
一言コメント
北朝鮮側もそれを知っていたのだろうか?
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