架空発注で幹部ら4人処分 市長も30%減給案 佐賀・鳥栖市
佐賀県鳥栖市上下水道局のやり直し工事で、架空発注をして費用を捻出していた問題で、市は22日、主導した50代の上下水道局次長を停職6カ月と課長級への降格処分にするなど関係者4人の処分を発表した。上下水道局の管理者にあたる橋本康志市長は責任を取り、7月から9月までの給料を30%減額する給与条例改正案を6月市議会に提案する。次長ら4人の懲戒処分は22日付。
処分を受けるのはいずれも男性で、次長以外では、次長からの指示で書類作成などをした40代係長級職員を減給10%3カ月、20代主事級職員を戒告処分にした。また局長も監督責任があるとして戒告処分にした。
市によると、2018年10月、施工不良に伴うやり直し工事が発生した。その補償費用負担を巡る業者間の調整が難航したため、次長が今年2月、工事を架空発注して費用を捻出していた。市は着服などはないことから、刑事告訴はしないとしている。
■失態続き、市民ら厳しく批判
鳥栖市上下水道局のやり直し工事を巡る架空発注問題で処分が発表された。市では昨年9月、新産業集積エリア(産業団地)の用地買収に伴う農地法違反が発覚し、12月に市長以下関係者が処分されたばかり。2月の市長選を経て市政の立て直しへのスタートを切ったはずだったが、出鼻をくじかれた。失態続きで、市民や議会からも厳しく批判する声が上がっている。
市内の男性(74)は「市は不祥事が多すぎる。私たちの血税を扱っているという認識がないのでは」と憤慨する。架空発注の金額や業者名を公表していない点について「悪いことをしている人を容認している」と指摘し、「何でも内々で処理しようという市役所の体質があるのだろう」と怒りを抑えきれない。
50代の会社員は「市役所でまた、あり得ないことが起きた。工期が遅れるなら普通は上司に相談する。何でこんなことになるのか」とあきれていた。
市は農地法違反を受けて昨年12月に職員を対象に法令順守についての研修を開くなどしていたが、結果としては功を奏しなかった。市議の一人は「市役所全体が緩みきっているのでは」と述べ、議会で厳しく追及する構えだ。
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他の市町村も大丈夫?
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