家庭の食卓に「夏のサンマ」? 例年より3ヵ月前倒しでサンマ漁へ出発 背景に深刻なサンマの不漁
- 政治・経済
- 2019年5月16日
例年8月に始まるサンマ漁が約3ヵ月前倒しとなり、15日、宮城県内からも漁船が出港しました。背景にあるのは、ここ数年続く深刻なサンマの不漁です。通年操業や公海上での漁を認める国の方針転換に、現場からは不安の声も聞かれました。
記者リポート
「サンマ漁の始まりが3ヵ月前倒しとなりました。これを受け宮城からはこちらの第1栄久丸が唯一出漁します」
サンマ漁はこれまで8月から12月に限って認められていましたが、国の方針転換で、今年から1年を通じて可能となり、5月から北太平洋の公海上で漁が行われることになりました。
今回、全国からサンマ漁に向かうのは合わせて18隻で、このうち宮城船籍の船は石巻漁港を拠点とする第1栄久丸、1隻のみです。
水産庁によりますと、全国には約160隻のサンマ漁船がありますが、今回は多くの船が漁に出るのを見送ったということです。
今野水産 工藤眞秀 部長
「複雑ですね、複雑。果たして、行って結果がどうなるか。とにかく全力でやって良い結果を出したいなという思いだけです」
秋から冬にかけて近海に移動してきたサンマを捕る、日本のサンマ漁。
しかしここ数年は、秋になってもサンマが日本に近づかず、長く不漁が続いていました。
そこで、この時期に群れがあるとみられる北太平洋まで船を出そうというのが今回の試みです。
しかし、従来「秋の味覚」とされてきたものが、夏に受け入れられるのか、課題は残ります。
石巻魚市場 須能邦雄 社長
「確かに季節感が大事だということで異論がある方もいると思いますけど。我々の常識も変えていかないと、資源が間に合わないんじゃないかと思います」
こうした中、15日は気仙沼からも、北海道と富山船籍の大型サンマ漁船2隻が出港しました。
2隻は、石巻を出た第1栄久丸と共に早ければ17日夜にも、北太平洋の漁場に到着します。
全国さんま棒受網漁協 八木田和浩 組合長
「新たな食文化を開発するというか切り拓いていければなと。国民の皆さんにサンマというのはいつ食べてもおいしいんですよと喜んでもらえればなと思います」
約3ヵ月、前倒しとなった今年のサンマ漁。
北太平洋での漁は約2ヵ月間続く予定ですが、家庭の食卓に「夏のサンマ」が届くかは未定ということです。
一言コメント
たくさん取ってきてね。
コメントする