データミックスは企業間取引・企業経営に必須なビジネスニュース、政治・社会ニュースを配信しています

お名前ドットコム

九州・山口の地銀、8割が減益 信用コスト増が重荷に


 九州・山口8県の地方銀行の平成31年3月期決算が14日、出そろった。21行中16行で最終利益が前期に比べ減少し、厳しい経営環境が浮き彫りになった。日銀のマイナス金利政策が長期化し、本業での収益増が難しい中、融資先の業績悪化による信用コストの増加や、株価下落に伴う有価証券売却益の減少などが利益を押し下げた。(九州総局 小沢慶太)

「2年程度と予想されたマイナス金利政策はもう4年目に入った。金融機関の多くがへたり込んでいる。何とか歯を食いしばって利益を出している状況だ」

西日本フィナンシャルホールディングス(FH)の谷川浩道社長は14日、増収増益の決算にも厳しい表情を崩さなかった。

西日本FHは、一般企業の売上高にあたる経常収益が前期比0・8%増の1437億円、最終利益は同6・7%増の228億円と「数字としては悪くない決算」(谷川氏)だった。

ただ傘下の西日本シティ、長崎両銀行をみると、減収減益だった。要因の一つが、不良債権処理や融資先の倒産への備えだ。両銀行単体の信用コストをみると、西日本シティ銀行は前期比15億円、長崎銀は同2億円増えた。FH全体の増加額は24億円にも上った。

◆「良い状況ではない」

低金利という逆風の中で、ここ数年の地銀経営を支えてきたのは、景気回復に伴う「信用コスト低減」と「有価証券の運用」だった。

今、この2本柱が揺らぐ。東京商工リサーチ福岡支社が発表した九州・沖縄の平成30年の倒産件数(負債1千万円以上)は、前年比13・1%増の637件となり、7年ぶりに前年を上回った。人手不足や後継者難を背景とした人件費の上昇で、小規模企業を中心に増えた。

この結果、3月期決算で信用コストが増えたのは、九州・山口の21行中、7割の15行に達した。

福岡中央銀行は、信用コストを前期比7億円増の10億円計上し、2期ぶりの最終減益となった。古村至朗頭取は「ここ数年で見ても(信用コストは)大きい。規模の小さい企業は良い状況ではない」と述べた。

西日本FHの谷川氏は「必ずしも景気が悪くなったという実感はないが、下期に入り、予想以上に信用コストが増加した。今後、審査など融資姿勢を見直していく」と話した。

◆融資先を支える使命

有価証券の運用にも、限界が見え始めた。世界的な政情不安定化などから、保有する外国債が含み損を抱えるケースが増えた。

金融庁は昨年7月、「地域銀行で有価証券運用への収益依存度が高まっている」と指摘した上で、「経営体力・リスクコントロール能力に見合ったリスクテイク」をするよう求めた。

九州フィナンシャルグループ傘下の鹿児島銀行は、株式などの売却益が26億円で、前期比22億円も減少した。九州FGの最上剛専務は「市場が乱調なので、株式を機動的に運用したい」と話した。

佐賀銀行は、最終利益が前期比60・3%減の26億円と厳しい決算になった。外国債などの売却損を29億円計上した。堤和幸常務は「外国債の含み損が膨らんでいたものを売却した。厳しい決算にならざるを得なかった」と述べた。

金融庁は今夏にも、業績悪化が懸念される地銀について経営の監視強化に乗り出す。収益や財務の見通しを独自に試算し、深刻な収益低下が予想されれば、個別に改善策を聴取する。経営改善が不十分な場合は、銀行法に基づき業務改善などを命じる方針だ。

特に規模が小さく経営基盤が弱い第二地銀にとって、収益力の強化など経営の改善策を示せない場合、トップ交代や他行との経営統合を、陰に陽に迫られる可能性がある。

ただ、業績悪化によって金融機関が融資を絞れば、地域経済が細り、不良債権がさらに増える。この悪循環は、バブル崩壊後など、景気後退局面に何度も生じた。地方金融機関は、地域経済を守るために、業績を安定させなければならない。

宮崎太陽銀行の安藤和慶常務は「(金融庁の監視強化は)織り込んでいる。融資先の本業をどう支えるか。それがわれわれの使命だ」と話した。

産経新聞

 

 

一言コメント
さらなる業界再編もありうる!?


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

注目他社記事一覧

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(後編)

★契約書控え無し移籍金支払い期限無しで辞めたら契約不履行で契約金を払わない悪質スキーム 前編で書いた通り、波戸崎は高学歴で歯車思考の洗脳しやすい従業員を周りに置いているが、バルセロナグループ自体に信用がない為に現地採用の […]

コメントなし

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(前編)

前回は、バルセロナグループの金融商品取引法違反やキャストの移籍金詐欺について詳しく述べた。今回は予告していた、西岡勇成、船津裕隆、の情報とバルセロナグループ波戸崎崇と山下遥香のSNSを使ったビジネスモデル(カルト宗教的勧 […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)後編

か弱き金魚達は完全なる被害者であり、バルセロナが撤退した後は中洲の各お店で受け入れるだろう。繁華街で生き抜いた人々にはそのような寛容な思考がある。1人として働きにくいと感じさせてはいけない。元の店に戻りにくいように裏切ら […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)前編

列島は台風が去り徐々に熱気と湿度が下がりつつある。第一弾から調査している実際の内装費はいくらなのか?我々はネットワークを駆使し、オオモ◯総建社員の証言のもと、実質内装費「税抜1.5億円」と確認した。 また、波戸崎氏がソフ […]

コメントなし

第一弾(後)波戸崎崇の投資話と洗脳手法に騙される中洲の人たち

前述の会社ぐるみで一般のキャストに自分達の投資を伏せて、あたかも自分達が特別扱いされてると感じでいる投資者(キャバ嬢)が正に騙されているのだ。調べるほどバルセロナという会社は詐欺と欺瞞、嘘で固められたマルチ詐欺集団のよう […]

コメントなし

注目他社記事一覧

独自記事

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP2~事件師たちを追う~

2024年の日本の選挙、いやー大波乱でしたね!自民党がまさかの過半数割れ。とはいえ「まあ、そうなるよね」と予感してた人も多いでしょう。世の中、どこにでもある「不信感」。これが政治だけじゃなく医療福祉業界にも広がってるんで […]

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP1~事件師たちを追う~

昨年、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。今年に入り日本ではプロ野球よりメジャーリーク大谷の話題で日本が明るくなり活気が戻ってきた。活気が戻りつつ街が賑わえばやはり増え […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第5弾)

株式会社ブランニュープランニングの終りの始まりが来た。 民事再生という逃げ道をとった村田晃士氏 登記簿(関税人の名前消して) 3月末に動きがあった。私共データミックスの情報が嘘ではないことを証明した内容だ。(株)ブランニ […]

1件のコメント

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第4弾)

2024年、石川県能登半島での大地震から始まってしまい、衝撃的な令和六年のスタートに不安を感じたが、被災者の皆さんの行動力や頑張りに胸を打たれながらの2ヶ月でした。特に心苦しいのがこんな大変な状況なのに発生してしまうのが […]

2 comments

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第3弾)

今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 アメリカは大谷翔平選手移籍の話題で盛り上がる中、わが国では政治家の裏金問題が岸田政権を揺るがす事態となっています。 今から来年のことが心配になっている […]

コメントなし

独自記事一覧

石川の一撃

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「尾崎朝樹氏・田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第11弾)

中国で発生した新型肺炎は終息する兆しがなく、世界中で猛威を振るいつつあります。 暖かい季節になってきましたが、読者の皆様も健康管理など、くれぐれもご留意ください。 前回、ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下クイーンズヒル […]

4 comments

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第10弾)

温暖化と言われる時代ですが、やはり寒い季節ですね。 読者の皆さん風邪など引かないようにしてくださいね。 児玉氏の毎年の様にお友達と行われるマックスゴルフコンペ動画を見て 貴殿のスイングに目を奪われましたよ。 それに加え「 […]

1件のコメント

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?役員構成変更そして今後のI・Bは?(第9弾 後編)

豪雨、台風と今年も不安定な夏でしたが、やっと涼しくなってきました。 東京五輪もいよいよあと1年となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 (取締役 児玉崇氏) 前回はデータ・マックス社の度重なる役員構成変更に […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?さらなる役員構成変更の意図は?(第9弾 前編)

梅雨が明け真夏日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? 昨年にも増して暑さが厳しく感じられますね。 しばらく酷暑は続きそうですが、読者の皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 さて、昨年も報じてきた「データ・マ […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?(第8弾 後編)

後編 「役員構成変更に見え隠れする児玉氏の未来図とは」 前編に続いてデータ・マックスグループの役員構成について考えた。 ※同役員構成については、「NetIB News」「データ・マックス」は善か悪か?信念か金か?(番外編 […]

1件のコメント

石川の一撃記事一覧

Copyright© 2017 データミックス All rights reserved.