売り上げ目標の重圧 ホシザキ子会社6社も不適切取引
業務用厨房(ちゅうぼう)機器大手のホシザキ(愛知県豊明市)は、新たにホシザキ北海道(札幌市)やホシザキ北関東(さいたま市)など販売子会社6社で不適切な取引が見つかったと発表した。昨秋、ホシザキ東海(名古屋市)で工事の架空発注などが発覚。第三者委員会が販売子会社15社の2018年1月~19年1月の取引を調べていた。
営業成績が足りない場合に売り上げを先行計上したり、急きょ発生した工事費用を協力業者に支払わせる一方、その業者に工事を架空発注してお金を戻したりしていた。社外取締役らが社員の処分を検討する。こうした事案が生じた背景について、第三者委の報告書は「(売り上げの)目標達成プレッシャーがあった」と指摘した。名古屋市内で会見したホシザキの小林靖浩社長は「大きな要因としてプレッシャーがあった。末端の営業担当者とのコミュニケーションが不足していたことを反省している。親会社主導で経営人材を育てる」と述べた。
ホシザキは昨秋、ホシザキ東海の18年1~9月の取引を対象に社内調査した。不適切取引に関与した従業員が70人以上にのぼり、小林氏を含む取締役13人が月額報酬の一部を自主返納。ホシザキ東海の社長と管理部長を取締役から解任し、関係する全従業員を処分した。今年2月には、監査法人が18年10~12月もホシザキ東海で不適切取引が続いていたことを指摘。第三者委が調査してきた。
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ホシザキは7日、延期していた18年12月期決算を発表した。売上高は前年比3・7%増の2927億円。フードサービス産業の設備投資が好調で、冷蔵庫や製氷機販売が伸びた。(細見るい)
■ホシザキ、不適切取引をめぐる経緯
2018年9月 子会社のホシザキ東海で架空発注などがあると通報を受ける
10月 2018年1~9月期決算の開示延期を発表
12月 社内調査で架空発注や着服が判明。関与した従業員は少なくとも70人に。その後、ホシザキ東海社長らを取締役から解任
19年2月 ホシザキ東海で18年10~12月も不適切取引が続いていたことが判明。18年12月期決算の開示を延期
3月 第三者委員会による調査が終わらず、18年12月期の有価証券報告書の提出を延期
5月 新たにホシザキ北海道(札幌市)、ホシザキ北関東(さいたま市)、ホシザキ阪神(大阪市)、ホシザキ中国(広島市)などで不適切な取引が発覚。18年12月期決算を発表
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