政治資金8千万円が「使途不明」 地方議員支出、国会議員より基準緩く
- 政治・経済
- 2019年5月8日
京都府議と京都市議が代表の政治団体が2017年に支出した政治資金のうち、政治資金収支報告書では内容や支払先が明らかにならない金額が88団体で計約8千万円に上り、支出総額の5割を占めることが、京都新聞の調査で分かった。政治資金規正法では、収支報告書で支出明細を公開する基準が、地方議員は5万円以上と、国会議員(1万円超)に比べて緩いためだ。有識者は「透明性を高めるため国会議員並みにすべき」と指摘する。
政治資金は、税金を原資に含む政党からの交付金や企業・団体、個人からの献金などが収入源となる。政治団体は収入や支出を記載した収支報告書を毎年、都道府県の選挙管理委員会などに提出することになっている。
京都新聞は、府選管が昨年11月に公表した収支報告書を調査した。17年当時の府議と市議が代表を務めていた資金管理団体と政党支部の計115団体のうち、支出のあった88団体の報告書を分析し、5万円未満の支出を調べた。さらに、経常経費の人件費なども総額のみの記載で内訳や領収書の写しが不要なため、両者を合わせた具体的な使途が分からない支出が全支出額に占める割合を「不透明度」として算出した。
支出総額約1億6200万円のうち、内容が不明なのは8089万円で、不透明度は49・91%だった。不透明度別に見ると、すべての支出が分からないことを示す「100%」となったのは17団体と最も多く、50%台が10団体、60%台が7団体となった。50%を超えたのは47団体に上った。
金額で見ると、不明額が100万円以上だったのは24団体。3団体は500万円以上で、最高は約660万円に達した。
不透明度「ゼロ」は9団体あったが、自身の後援会など他の政治団体へ大半を寄付し、寄付先の支出が不透明になっているケースも散見された。
国会議員の関係する政治団体を巡っては、事務所費や光熱水費の巨額計上など不明朗な支出が相次いで問題化。「裏金づくりの隠れみの」との疑惑を招いた結果、07年に政治資金規正法が改正され、支出明細を公開する基準額や範囲が厳格化された。京都の国会議員が関係する政党支部と資金管理団体の計26団体では、17年の収支報告書上の不透明度は25・68%にとどまる。
政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大教授は「地方議員の団体については改革が置き去りにされ、不透明なままだ。公開基準の厳格化を地方議会が先行して条例化することを求めたい。政治活動の実態が可視化されることは、不正の監視強化だけではなく、議員への信頼を高めることにもなる」と話している。
一言コメント
消費税あげる前に、こういう無駄をなくしてもらいたい。
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