改憲、安倍首相に手詰まり感=「20年施行」道筋見えず-3日は憲法記念日
- 政治・経済
- 2019年5月3日
日本国憲法は3日で施行から72年を迎える。
安倍晋三首相は2020年の改正憲法施行になお意欲を示すが、宿願実現への道筋は見えないまま「期限」は迫る。立憲民主党など主要野党は「安倍改憲に反対」との姿勢を崩しておらず、夏の参院選の結果は、改憲論議の行方を占う。
首相は4月23日の改憲派集会にメッセージを寄せ、「新しい時代のスタートラインに立ち、この国の未来像を真正面から議論を行うべき時に来ている」と、改憲論議の進展を強く促した。
自民党は昨年、9条への自衛隊明記など4項目の改憲案をまとめた。今国会では、商業施設などに「共通投票所」を設ける国民投票法改正案を速やかに成立させ、党改憲案提示の環境を整えたい考えだ。
だが、統計不正問題などで野党側が対決姿勢を強めたため、衆院憲法審査会の実質審議入りは5月9日までずれ込むことになった。同日の審査会は、野党が求めている国民投票運動のテレビCMを議論。与党は同改正案の採決を提案したが、野党は消極的だ。
立憲は政党CMを全面的に規制する独自案の作成に着手。立憲幹部は「同法改正案を今国会で採決することはない」と強調した。
公明党も改正案の処理は容認しているものの、改憲には慎重姿勢を強めている。改憲論議には野党第1党の立憲の協力が必要と唱えており、公明幹部は「自民党が自由討議を強行するなら、出られない」と語った。こうした状況に、会期末を6月26日に控え、自民党の閣僚経験者は「改憲論議の本格化は早くても参院選後」と漏らす。
参院選で、改憲の国会発議に必要な3分の2の議席を確保するためには、与党に日本維新、希望両党を加えた「改憲勢力」で計88議席を獲得する必要がある。4党の改選は計87だが、自民党は13年参院選で大勝したため、今回は議席減を予想する見方が多い。参院選で3分の2を維持できなければ、改憲は一層困難になる。
首相の自民党総裁としての任期は21年9月末まで。首相は「(現在の)3期目が最後」として総裁4選を否定しており、悲願である改憲に向けてもう一つの期限も迫りつつある。
一言コメント
北方領土、拉致問題も進展は難しそうだ。
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