新天皇ご即位 令和のご公務どんな形に
- 政治・経済
- 2019年5月2日
■公的行為は明記なく陛下のご意向を反映
上皇さまは平成の時代、象徴天皇としての公務を築かれてきた。憲法に基づく国事行為以外に定義付けされた形がない中で、「国民に寄り添う」との考えのもと、戦没者慰霊、被災地見舞いなどに励まれてきた。新たに即位した天皇陛下も「時代に即した」公務に度々言及されており、時々の天皇に課せられた宿題ともいえる。
◆大きく3分類
天皇の公務は「国事行為」「公的行為」「その他の行為」と、大きく3つに分類される。
国事行為は、内閣総理大臣・最高裁長官の任命、国会の召集、栄典の授与などと憲法で規定。これに関連する形で、親任式、国会開会式、勲章親授式などに臨む。
公的行為は、政府が「天皇が象徴としての地位に基づいて、公的な立場で行うもの」との見解を示しているが、憲法や皇室典範には明記されていない。
一般参賀や宮中晩餐(ばんさん)会、園遊会など昭和時代から続くものもあるが、戦没者慰霊、被災地見舞いのほか、ハンセン病や障害者、高齢者の施設慰問、先端企業の視察など、上皇さまが平成以降に広げられたものは枚挙にいとまがない。
◆削減は難しく
宮内庁は近年、負担軽減策として、主に「公的行為」の削減を模索したが、上皇さまは平等性の観点から拒まれてきた。譲位の意向を示した平成28年8月のお言葉でも、公務の縮小は「無理があろう」と述べられている。
上皇さまと昭和天皇の公務を同じ82歳になった年(平成27年と昭和58年)で比べた場合、国事行為は、上皇さまが1047件、昭和天皇が1073件とほぼ同程度だったのに対し、公的行為はそれぞれ529件、344件と上皇さまの方が1・5倍となった。
「その他の行為」でも、音楽会や美術展の鑑賞は「芸術振興」という公的性格を帯びる。上皇さまの譲位の是非を議論した政府の有識者会議の資料でも、「純粋に私的なもの」として例示されたのは、宮中祭祀(さいし)や神社ご参拝、大相撲ご覧、生物学ご研究、御用邸ご滞在と限定的だった。
一言コメント
皇室にも働き方改革が必要!?
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